かわまりの映画評と創作

読書ルームではノンフィクションと歴史小説を掲載

【映画ルーム(159) 英国万歳! 〜 王朝初の英語を話す英国王… 5点】

【映画ルーム(159) 英国万歳! 〜王朝初の英語を話す英国王… 5点】平均点:6.70 / 10点(Review 10人)   1994年【英】 上映時間:107分  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。 https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=409 

 

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、映画タイトルの次、"〜"のすぐ後ろのキャッチコピー、【独り言】と【参考】を除く部分の版権はjtnews.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。

 

【あらすじ】

「王は君臨すれども統治せず。」の原則が確立された18世紀最後のイギリス国王、敵国フランスの敵ドイツから迎えた王室の三代目にして初めて英語をまともに話した国王ジョージ3世はアメリカ独立の頃から周囲の誰の目にも明らかなほど言動が異常だったが、ある日おつきの者が王の排泄物の色が変なのに気がつく。現在なら対症療法が知られている国王の代謝異常に対して周囲は皇太子を摂政につけ、議会の権力を拡充し、そして専門医を採用して王の精神的負担を軽減しようとする。イギリスの議会制民主主義成熟の過程で起きた珍事の顛末。

 

【かわまりのレビュー】

ちょっと期待はずれでした。というのもジョージ3世とシャーロット王妃に関しては喜悲劇両方のいろんなエピソードが知られているからです。まず同国王の戴冠式の日、王冠にはめてあった一番大きな宝石が抜け落ちて国民は後にこれはアメリカ独立の予兆だったんだと思ったということ、そしてドイツ貴族の娘だった容姿も中身も平凡なシャーロット妃がイギリス王妃に選ばれたので7日以内に渡英の準備を完了するよう言われてショックで気絶したこととか、結婚式で素材と縫いこまれた宝石の重さに耐え切れずに新王妃の衣装の肩の縫い合わせが万人が注視する教会のど真ん中で一気にほどけたこととか・・・。こういうエピソードも盛り込んで、国王が狂気に徐々に犯されていく過程をじっくり描いてほしかったです。英語のWikipediaを読んでも国王の持病だった代謝異常のポルフィリン症が狂気に直結するとは書いてないし、ポルフィリン症は国王の狂気の引き金だったかもしれないけれど、むしろ国王がハーノーバー朝イギリス王家で初めて英語を母国語として話したという事実やフランス大革命や産業革命を含むいろんな社会情勢や国際情勢が国王の精神を蝕んでいったという仮説にたって史実を再現してほしかったです。 ところで、Wikipediaからのおまけの知識ですが、現在知られているポルフィリン症の対症療法とは患者に直射日光を避けさせることだそうです。ポルフィリン症の怖い点は精神異常ではなく、太陽光線の作用によって臓器に結石ができることだそうで、この病気がある人は今ではみんな直射日光の下では日焼け止めなんかで完全武装するようです。ジョージ3世は狩猟きちがいみたいでしたから、頭のネジがはずれるような具合で結石ができていたのかもしれませんね。

 

その他のレビューは https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=409   をご覧ください。

 

【独り言】

目下連載中の「黄昏のエポック 〜 バイロン郷の夢と冒険」の時代背景を知る上で重要な作品(コメディーではありますが)、わたしの感想の結論は上の通りです。もっともっとコメディーっぽく出来ないことはなかったのですがそこはイギリスの現王室の直系のご先祖のお話しとあってこれ以上おちゃらけた演出は出来なかったようです。主人公であるジョージ三世に纏わる逸話として結婚式でシャーロット妃の衣装が分解したことだけではなく、即位式で王冠から特大の宝石が抜け落ちたことありますが、それらの事実は視覚化しない方が、またアメリカ独立の事実には触れないのが現王室に対する思いやりなのでしょう。ジョージ三世は「我こそは現ハーノーバー朝イギリスの第三代目の国王にして初めて国語である英語をまともに話せる国王!」と大いに気負っていたのでしょうが、イギリスはすでに国王が全てを決済し、全てに責任を持つ絶対王政の時代を卒業していました。「国王だからってそんなに気負わないでください。国民が選んだ議会とその議員・首相が一切の責任を負うんですから…。」という優しさは第二次世界大戦後の日本人と共通です。

 

さて、「黄昏のエポック」の次の舞台はイタリアです。イギリスとは異なってラテン語起源のイタリア語とその方言を共通に話しながら各地で東方貿易で名と財を成した富豪や土豪が独自の文化を開花させたイタリアはイギリスとは全く異なる政治風土を持っていましたが、イタリア人の未来に向けての趨勢が確立したのはナポレオン戦争でした。イタリア各地の良識ある人々はイタリア語の姓を持つナポレオンを尊敬しながらもなんとかして長靴の形をしたイタリア半島を近代的な政治制度と手段でもって防衛したいと考えたのですがそれは平坦な道のりではありませんでした。しかしナポレオン戦争後、日本の明治新政府が軌道に乗る19世紀後半まで持続したこのイタリア人の渇望の核であり、起爆剤となったのはナポレオン失脚後の反動体制下でイタリア北部を支配して圧政を行ったオーストリアに対する憎しみでした。イタリア人がいかにオーストリアの国と国民を憎んだかはヴィスコンティ監督の名作「夏の嵐」を見ていただけばおわかりになるでしょう。下のURLをご覧になった上で是非鑑賞してみてください。

 

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=4719

 

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/12/113131

戻ってきました!(その3) 〜これからのエントリー作品について

半年ほどにもなったでしょうか? サボりの言い訳がどんどん長くなってしまいましたがこの言い訳で一番重要なのは次の連載のテーマです。次作の「黄昏のエポック ~ バイロン卿の夢と冒険」はいわゆる歴史小説と言われる日本の文壇の得意分野で司馬遼太郎ほどは事実にべったりではないけれど吉川英治山本周五郎ほどには事実から乖離せず、最後に事実との異同のコーナーを設けましたがそれには(種明かしというほどではないのですが)理由があります。プロメテウス達よ」と同じくアマゾンで電子出版(有料)で配布しています。アマゾンでの出版はウェブでの無料公開を前提に著作権を明確にしておくという目的のためでこのサイトではもちろん無料でご覧いただけます。改訂を経も既に購入してくださった読者の方だけに無料公開できるなら電子書籍リーダーをお持ちの方には読みやすい有料版をお勧めしたいのですが今のところ定かではなく、日本の家電メーカーに一踏ん張りして電子書籍リーダーの一層の普及を図っていただきたいところでもあります。

 

留置場(によく似た施設)に入所する直前には巷を騒がしていたのは例の流行病の567で、勤め上げて娑婆に戻った時にはアメリカの大統領選挙の終盤戦でした。そしてこの作品のテーマはずばり、ロマン主義民族主義です。567はここ何十年かの間のグローバライゼーションの趨勢にとどめとはいかないまでもブレーキをかけ、かたやアメリカ大統領選挙は同じ言語や理念(アメリカの場合は民主主義や言論の自由)の土俵の上での多様な価値観のぶつかり合いを見せつけてくれる正に民族主義のお手本でした。と言ってもわたし自身、ことロマン主義民族主義の2つに関する限り、これら2つががどう絡み合っているのか理解しているわけではありません。ただ、19世紀のイギリスの詩人のバイロン卿がこの2つを体現していたと言われています。そして彼の弟分だった詩人のシェリーが科学的思考に基づいたロマンチストで楽天家、バイロンの妹分でシェリーの妻のメアリーは現代の生命倫理にも通じる「フランケンシュタイン」を19歳の若さで執筆した天才という多彩な顔ぶれが登場します。「プロメテウス」と関連した映画がわたしがこのサイトで取り上げたのものが「コペンハーゲン」の一作だけなのに対し、「黄昏」の方は「幻の城(https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/17/070356)」、「フランケンシュタイン (https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/19/100331)」、「ドンファン・デ・マルコ (https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/16/160821)」の他にも「レディー・キャロライン」など目白押しです。

 

本作品を電子版でしか発表したくない理由はやはり、各章を独立して読むことができる短編として読み進んだり時間を追って読んだりと読者の好みによって読み方を変えられることと、大部分がわたしの空想によるものとは言え「プロメテウス」と同じく事実に基づいていることから、読者皆様に史実に照らしながら読んでいただくためのリンクを張り巡らせたいからです。

 

【参考】

ジョージ・ゴードン・バイロン (ウィキペディア)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%B3?wprov=sfti1

ウィキペディアの記事ではバイロンは大学時代に放埒な生活を送ったと書かれていますがバイロンの豊富な語彙や旧約聖書ギリシャ・ローマの古典に至る豊富な知識は弛まない努力の賜物です。ただ事実としてはバイロンには金銭感覚がかなり欠如していたらしく、また当時の大学では既に爵位を持っている学生は18歳以上であれば議会に出席するためか授業への出席日数や試験の成績が不足していても学位を授与されて卒業できたようです。

 

パーシー・ビッシュ・シェリー  (ウィキペディア)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%BC?wprov=sfti1

 

メアリー・シェリー   (ウィキペディア)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%BC?wprov=sfti1

 

 

 

 

黄昏のエポック ~ バイロン卿の夢と冒険


目次

第一話 レマン湖の月 (一八一六年夏 スイス)

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/11/22/224548

第二話 優しき姉よ (一八一四年 ~ 一八一六年春 イギリス)

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/11/27/222851

第三話 ため息橋にて (一八一六年秋 ~ 一八一八年初 イタリア)

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/11/30/211153

第四話 青い空、青い海 (一八○九年夏 ~ 一八一一年秋 ポルトガル→スペイン→アルバニアギリシア→トルコ→ギリシア→イギリス)

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/12/08/224147

第五話 小公子 (一七九八年夏 ~ 一八〇二年夏 イギリス)

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2021/01/02/230034

第六話 若き貴公子 ((一八○五年夏 ~ 一八○九年夏 イギリス)

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2021/01/12/165622

第七話 レディー・キャロライン (一八一二年 イギリス)

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2021/01/30/192158

第八話  暴風雨 (一八一八年 ~ 一八二二年 イタリア)

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/11/22/224548

第九話 スコットランドの荒野にて (一七九八年夏 イギリス)

 

第十話 ギリシアに死す (一八二四年春)

戻ってきました! (その2) 〜最初のエントリー作品について

ところで、お休み中にわたしのブログへの訪問者が1,500人を超えました。毎月の訪問者数が100人を超えないと訪問者の方々がわたしのブログのどのエントリーにアクセスしたか(もちろん匿名で人数のみですが)はわからないのでこれらの方々がわたしのペンネームを知っていて一向に変わらない最新のエントリーにアクセスしたのか、検索エンジンで何か(一番可能性が高いのは映画の題名)を検査してわたしのブログに行き着いたのかは永久に知ることはできません。個人的には後者が望ましいと思っています。


この話題はこれまでにしてわたしのブログの既にアップを完了した読書ルームは当然のことながら広島・長崎への原子爆弾投下によって世界を震撼させた核兵器がなぜ作られてしまったのかという疑問に答える為にわたしが書き下ろした作品です。その動機は日本側で書かれた原子爆弾関する書籍がともすると原爆による被害の惨状の記述に終始しているのに対し、加害者側である英米の書籍は原子爆弾製造の動機と過程を記述したものがほとんどで、それらを読む時に決して看過してはならないのは原子爆弾の直接的な開発に携わった科学者達も非戦闘員である広島と長崎の市民を殺害するというそれだけ取ってみれば大きな過ちに関与してしまったことで深く傷つき悔恨を抱くに至ったという事実なのです。そしてそのことを理解することなしにはわたし達日本人は決して本当の意味で彼ら英米人を許し、和解することができないとわたしは考えています。映画ルームとの絡みで言うとこのことは【かわまりの映画ルーム(特番) コペンハーゲン  〜  原子力開発について知っておくべきこと (URL: https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/16/112350)】という作品中での共にノーベル物理学賞受賞者で師弟関係にあるニールス・ボーアとヴェルナー・ハイゼンベルクが戦後に交わした会話に滲み出ています。そして何よりも顕著なのは人類中最高水準の頭脳である彼ら核兵器開発の担い手でさえ既に起きてしまった惨劇について関わりを持たなかった他者に(本心はともかく)責任を押し付けるのが常だったのです。ましてや一般人は言うに及びません。

 

「プロメテウス達よ〜原子力開発の物語」

目次・内容とエントリー時期

2019年8月   プロローグ  

   ・フリッツ・ハーバー、キューリー夫人、アインシュタイン

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/16/173300

   ・3人の科学者が第一次世界大戦中に取った姿勢

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/18/074228

        第1章  プロメテウスの揺籃の地

   ・ハイゼンベルクの少年時代

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/070325

   ・ハイゼンベルクの青年時代〜ボーアとハイゼンベルク

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/064129

   ・ハイゼンベルクの青年時代〜ゲッチンゲンからコペンハーゲン

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/064109

   ・青年ハイゼンベルクの金字塔

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/072645

2019年9月   第2章  新時代の錬金術師たち  

   ・科学の教皇旧大陸を去る

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/11/022048 

   ・錬金術の最果ての地

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/18/194625

   ・一時代の終わり

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/18/215353

   ・赤ん坊は難を逃れる

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/18/222633

     ・水先案内人(パイロット)が新大陸に達する

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/18/235917

   ・雪の日の知らせ

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/19/001433

2019年10 月   第3章  プロメテウスの目覚め

   ・発見は海を渡る、ボーアの怒り

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/13/001828
   ・預言者たちは走る

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/15/193035

   ・時は移る

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/15/235312

   ・再び錬金術

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/16/155059
   ・最前線からの使者

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/16/180729
   ・コペンハーゲン

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/16/212747

2019年11 月   第4章  マンハッタン計画(上)
     ・パイロット(水先案内人)の終着地

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/11/18/120811

   ・軍の関与と計画の拡大

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/11/18/120918

     ・波濤を超えて

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/11/18/121104

2019年12月   第4章  マンハッタン計画(上) 

          ・新たな段階とボーアの参加

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/06/083326

   ・欧州の戦況と科学者諜報部員

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/06/094406

   ・連合軍のお尋ね者

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/06/102734

   
    

2020年1月    第5章  マンハッタン計画(下)

   ・原爆投下前の科学者トップら

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/01/24/090750
   ・シカゴの基礎研究者ら

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/01/24/091514
   ・預言者たちのフランク・レポート

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/01/24/091743

   ・ロス・アラモスの秘密会談

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/01/24/093037

   ・原爆実験(1945年7月15日、16日)

               https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/01/25/064021

   ・シカゴの預言者たち

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/01/25/070919

          ・ 終わりの始まり

     https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/02/15/031003

 

2020年2月、  第6章   冷戦

   ・エプシロン計画

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/02/15/034624
   ・マンハッタン計画の功労者たち

    https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/02/17/090807

   ・ソビエトとの確執

   ・功労者たちのその後
   ・結論

 

 

「エピローグに替えて」として広島・長崎への原子爆弾投下を心から悲しんで絶望と自殺の淵にまで立ったノーベル化学賞受賞者のノーベル賞受賞講演の和訳を掲げました。和訳には門外漢のわたしには大変な困難が伴いました。ノーベル財団のウェブサイトに掲載されていた英語の講演録の翻訳に当たって同財団の許可は得ていません。またわたしの翻訳の正確性には疑問があります。皆様のうちで化学に造詣があり英語に堪能な方は是非原文に当たっていただきたいです。なお当該箇所は電子書籍のみに掲載されています。


 

 

 

(その3に続く)

戻ってきました!

最後のエントリーはいつだったか…、読書ルーム「プロメテウス達よ〜原子力開発の物語」が完結した後で忙しかったので次のシリーズを模索しながらもエントリーが延び延びになっていました。実は次のシリーズはとうの昔に完成していたし、映画ルームの方はわたし自身の評価が高いもののエントリーがほぼ完結した後、まあまあの評価のものをぼちぼちアップしていくこともできたはずなのですが、過去15年間に母体である「みんなのシネマレビュー(jtnews.up)」にアップしたレビューとあらすじをコピペしていくというごく単純な作業に加えて何とかお世話になっている「みんなのシネマレビュー」への恩返しの意味をこめて映画好きのみなさんにわたしのレビューを読んだ後で「みんなのシネマレビュー」を訪れていただけるようにリンクを貼りたいと考え、これも単純作業ではありますが該当するエントリーにU R L を貼りたいと思ったら再開が億劫になってしまいました。ここまでは言い訳ですが、やっと多忙が落ち着いた頃にちょっとした事件で留置場に非常によく似た場所に収監されてインターネット接続のない場所に閉じ込められてしまい、エントリー不能になってしまいました。留置場とは異なって保釈金が効かないその場所で務め上げて晴れて釈放されましたのでまた再開しますが、その間にひたすら考えたのは目下、Amazonに電子版だけ公開しているわたしの書籍の行方でした。本ブログで無料公開した「プロメテウス達よ」をアップする間に多くの編集の余地が明らかになってまた副題として「〜原子力開発の物語」を追加したのでAmazonの方の宣伝は訂正を終えるまで一時停止していますが再開を目指して鋭意編集することは当然ですが、今までわたしが手がけた日系シンクタンクでのメルマガの翻訳と編集の時には無かった困難にわたしが直面していることも事実なのです。わたしは常々、書籍のようなマーケティングが難しい商品に貴重な森林資源を費やすべきではなく、電子版がもっと普及すべきだと思っていますが、この考え方も曲げずにこれからも創作し続けていきたいと考えています。電子書籍の利点の一つとして改訂や再配分の容易さがありますが、このブログがわたしの書籍が商品としての一定水準をクリアするまでのたたき台になることを願っております。

 

読書ルームIIでブログを再開し、映画ルームはこのブログが「みんなのシネマレビュー(jtnews.jp)」の私設サブサイトであることを明確にできるようになった暁に再開(新規エントリー開始)しようと思います。今後とも宜しくお願いいたします。

 

映画ルーム案内

 

2019年7月

1. ベン・ハー    〜 イエス・キリストの物語 10 点 

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/07/25/181124

2. いつか晴れた日に  ︎  〜 19世紀英国版『この世界の片隅で 』

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/07/25/181326

3. イル・ポスティーノ 〜 東西冷戦期イタリアの田舎版『この世界の片隅で 』 8点.   https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/07/25/181623

4. テルマエロマエ 〜 東西コスモポリタンの競演  8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/07/26/073003

5. ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書   〜 報道とは何か  8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/07/26/082955
6. 天井桟敷の人々   〜 抵抗映画というものがあるなら  9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/07/27/132014
7. ガンジー   〜 聖人はいかに生まれたか  10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/07/28/044107
8. デッドマン・ウォーキング   〜 目には目を、死には死を 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/07/28/045616
9. 硫黄島からの手紙   〜 死なばもろとも(祖国への愛) 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/07/28/050643
10. 父親たちの星条旗   〜 英雄が必要な理由  8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/07/28/052632 

2019年8月 
11. オーケストラの少女.  〜 アメリカ式不況の乗り切り方. 10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/02/093906
12. オーケストラ・リハーサル   〜 寓話の世界を視覚化したら 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/03/052026
13. リチャード三世   〜 永遠のシェイクスピア  8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/03/054839
14. ハムレット(2000)  〜 永遠のシェイクスピア  8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/07/071652
15. アポロ13号 〜 それでも人は挑戦し続ける  10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/14/112834
16. 宮廷画家ゴヤは見た 〜 時代の肖像 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/15/064821
17. フォレスト・ガンプ 〜 舞い落ちる羽のように  8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/16/061733
18. カラー・パープル  〜 気高く生きる道  9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/16/063526
19. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 〜 捕まえてごらん  8点 

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/16/065144

20. 河  〜  静かなる時の流れ 10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/16/071806

21. チャップリンの独裁者 〜 独裁者よ、永遠の笑い者なれ! 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/16/074722
22. サウンド・オブ・ミュージック 〜 歌声はアルプスを越えて 10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/16/081516
23. 永遠のマリア・カラス 〜 華やかな伝記作品 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/16/082325
24. 小さな村の小さなダンサー 〜 歴史を作るフツーの兄ちゃん 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/16/082445

特番 コペンハーゲン  〜  原子力開発について知っておくべきこと 10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/16/112350

25. アマデウス 〜 楽聖はこんな人だった  10点

 https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/18/120507
26. この世界の片隅で      〜 強く生きる 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/18/120929
27. 僕を愛した二つの国 〜 これってギャグ? 必死に生きる 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/18/121044
28. ロイヤルアフェア 〜 某国では知らぬ人のない  10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/18/130115
29. ウエストサイド物語   〜 永遠のシェイクスピア  8点

  https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/18/130147
30. ロミオとジュリエット(1968年) 〜 永遠のシェイクスピア 9点

  https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/18/130234
31. 乱  〜 シェイクスピアの投球をセンター前にヒット 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/18/160822

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=996

32. 汚れなき悪戯  〜 神のもとに召されるということ  10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/18/162950

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=5036
33. 炎上     〜 至宝はこうして消滅する  9点 

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/25/060107

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=6828
34. 哀愁(1940年)  〜 愛するがゆえに  8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/25/063303

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=1570
35. レディー・ジェーン/愛と運命の二人 〜 歴史に「もしも」も「たられば」もないけれど  8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/08/25/072135

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=3573

  

2019年9月
36. 1000日のアン  〜 国家の命運を変えた女性 10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/072703

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=9474
37. 女の都  〜 ポスト・ウーマンリブ運動の夢幻界  10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/072721

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=10636
38. ハドソン川の奇跡 〜 実在するヒーローの心の内  9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/081552

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=23687
39. アルゴ 〜 実話を戯画化 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/081622

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=20518
40. シラノ・ド・ベルジュラック 〜 名優が古典に挑戦 10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/081702

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=156
41. 恋の闇 愛の光 〜 ラブコメ女優が歴史物に挑戦 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/081820

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=110
42. 幻影師アイゼンハイム 〜 史実とフィクションの交錯 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/081840

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=15644
43. 即興曲 愛欲の旋律 〜 伝記に基づいたラブコメ 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/081859

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=6898
44. レナードの朝 〜 名優が競演する医師と患者 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/081924

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=406
45. 尼僧物語 〜 自分に忠実に生きる 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/02/081945

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=7869
46. 二十四時間の情事  〜 街への原爆、心への原爆 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/03/135746

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=5721
47. 雨月物語 〜 戦国の世と夢幻界を往来する魂たち 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/03/135836

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=4512
48. ニュールンベルグ裁判 〜 過去を裁くということ10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/03/140017

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=4734
49. 嘆きのテレーズ 〜 抑えたトーンの下にうごめく情念 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/03/140057

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=4987
50. バベル 〜 言葉を超えた拡散と集中 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/03/140128

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=14210

51. 白痴 〜 人間を描く大河ドラマ 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/16/205553
52. われらパリっ子 〜 スポコンとラブロマンスが合体 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/16/205615
53. 北京の55日 〜 スペクタクル映画の系譜 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/16/205637
54. ドクトル・ジバゴ 〜 動乱の世の報われない純愛 10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/16/205657

55. フレンチカンカン〜 〜 色彩の乱舞の中のラブコメ8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/16/205717
56. ビッグ・フィッシュ 〜 目眩く色彩世界の自叙伝 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/16/210202
57. 羅生門 〜 ラショーモンシンドロームの起源 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/16/210223
58. ビューティフル・マインド 〜 心の眼で見えるもの 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/16/210253
59. 愛と哀しみのボレロ 〜 欧州大河ドラマは民族の対立と融和劇  10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/16/210311
60. さらばわが愛/覇王別姫  〜 中国流大河ドラマは王朝とイデオロギーの交代劇 9点 

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/09/16/2103382019年10 月
61. アラバマ物語 〜 児童の眼が捉えた正義 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/02/192605
62. タンゴ 〜 中年男が抱く若い新鋭ダンサーへの愛と野望 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/06/125331
63. アビエーター 〜 富を超える願望 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/06/165227
64. ウェディング・バンケット 〜 こんなライフスタイルもいいのでは? 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/06/220906
65. オーシャン・オブ・ファイアー 〜 お馬さんが好きなら 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/08/125948

66. 赤ひげ 〜 江戸時代版医療への献身ストーリー 10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/09/174051
67. オフィシャル・ストーリー 〜 政治動乱の中で不変のもの  10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/10/190121
68. エビータ 〜 政治慈愛と野望と  8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/12/090935
69. 愛のイエントル 〜 憧れは歌に乗って 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/12/190222
70. シャイン 〜 人生の核になるもの  8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/12/190333
71. 戦場のピアニスト 〜 有情(うじょう)の芸術家、無情の戦場 9点 

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/16/212944

72. 戦場にかける橋 〜 移ろうものと永遠(とわ)のもの 10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/16/213107
73. ア・フュー・グッド・メン 〜 軍事裁判での逆転劇 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/17/181148
74. 楢山節考 〜 死と生と性と 10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/17/181206
75. 司祭   〜 規範と道徳 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/17/181224
76. 12人の怒れる男たち 〜 心の底にある正義と良識 10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/30/061119
77. ニューオリンズ・トライアル 〜 裁判の常識が覆るか? 10点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/30/061151
78. 黄色い大地 〜  中国革命の原点 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/30/061217
79. 紅夢 〜 旧世界の残夢 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/30/061508
80. ユナイテッド93 〜 密室で何が起きたか 9点

 https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/10/30/061606

 

 2019年12月
81. ハチ公物語   〜 街への郷愁、最良の友への賛辞 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/06/102859

82. ヘンリー五世 〜 永遠のシェイクスピア 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/06/102919
83. HACHI/約束の犬 〜 彼の人の街、彼の人の友 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/06/102945
84. から騒ぎ 〜 永遠のシェイクスピア 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/06/103010
85. 恋の骨折り損 〜 永遠のシェイクスピア 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/06/103033
86. ボルチモアの光 〜 神が意図したこと 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/09/133624
87.:仮面の中のアリア 〜 音楽版スポ根もの 8點

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/09/133644
88. オテロ 〜 愛するがゆえに 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/09/133700
89. おくりびと 〜 ほっこり窮極の癒し 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/09/133723
90. 四十七人の刺客 〜 深読みすれば面白い 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/09/133743
91. 容疑者Xの献身 〜 愛で物理現象は。。。8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/12/113035
92. サヨナラ 〜 未知の国、憧れの国から  8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/12/113058
93. 夏の嵐 〜 破れかぶれの悲恋 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/12/113131
94. 真夏の夜の夢 (1999)  〜 永遠のシェイクスピア 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/12/113249
95. ハムレット(1990) 〜  永遠のシェイクスピア 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/12/113311
96. コレラの時代の愛 〜 本当に愛するストーカー8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/12/113335
97. ニュー・シネマ・パラダイス(3時間完全版) 〜 憧れは何歳(いくつ)になっても9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/12/113359
98. インドシナ 〜  二つの世界 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/12/113451
99. コールド・マウンテン  〜  戦時下での運命の一期一會 10點

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/12/113605
100. 2人のローマ教皇 〜 心温まる友情 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2019/12/12/113634

101. カロル ローマ法皇への歩み 〜 普通の青年を導いたのは?9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/05/070949

102. 天国と地獄 〜 社会の中の人間 8点
https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/08/093749

103. 蜘蛛巣城シェイクスピアの投球をセンター前にヒット 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/08/165240

104. インフェルノ 〜 目眩(めくるめ)く預知悪夢 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/13/053731

105. 風立ちぬ 〜 夢と現実と6点
https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/13/130042

106.  愛を読むひと 〜 「読む」という文明の行為 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/14/042631

107. インビクタス/負けざる者たち 7点
https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/14/144635

108. 千里を走る 〜 国境を越える根性もの 7点
https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/15/113903

109. テルマエロマエ II 〜 東西奇人の競演 6点
https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/16/145925

110.  カラマゾフの兄弟 〜 ロシア的長男の命運 7点
https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/17/140531

111. カルテット 人生のオペラハウス 〜 人生の決算の時 6点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/17/141012

112. 25年目の弦楽四重奏  〜 悔いのない人生のために 6点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/18/151138

113. アイーダ 〜 大女優が演じる死を超える愛 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/18/160915

114. にがい米 〜 社会の重圧を写す 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/19/082819

115. アンナ・カレーニナ 〜 アンナの恋は何だったのか 6点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/19/083200

116. デジレ 〜 抑制された生産的な不倫 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/19/091635

117.  千年の恋 光源氏物語 〜 永遠の古典文学 6点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/23/114206

118. しあわせの雨傘 〜 名優のプロモ映画 6点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/23/135431

119. 昼下りの情事 〜 モノクロ美のラブコメ 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/25/021710

120. めまい 〜 モノクロ巨匠の極彩色の眩暈 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/26/030124

121. ブラック・スワン 〜 芸術に憑かれると… 6点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/26/122640

122. 赤い靴 〜 芸術と生身の人への愛の狭間で 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/26/124405

123. 赤と黒の十字架 〜 名優が演じる信念に基づいた奇行 6点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/28/084833

124. マルチン・ルターの生涯 〜 伝統を打破する信念 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/28/102327

125.  十戒 〜 民族の誇りが生まれるまで 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/28/114355

126. 日本のいちばん長い日 〜 民族の誇りをかけた降伏 10 点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/03/28/142838

127.  アラビアのロレンス 〜 他民族の文化への憧憬と情熱 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/04/01/142648

128.  ニュールンベルク軍事裁判〈TVM 〉〜 勝者が敗者を裁くということ 10 点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/04/04/014930

129. コッポラの胡蝶の夢 〜 東洋的な、あまりに東洋的な 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/04/06/023422

130. 裸足の伯爵夫人 〜 シンデレラの泡沫(うたかた)の夢 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/04/06/110939

131. 白鳥 〜 実現した夢の前奏曲 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/04/08/073800

132.  変脸 - この櫂に手をそえて 〜 女の子も天を支える 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/04/09/021425

133. 平成狸合戦ぽんぽこ 〜 タンタンタヌキの環境保全 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/04/10/012821

134.  千と千尋の神隠し 〜 八百万(やおよろず)の神に出会うと。。。 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/04/12/091025

135. 聖衣 〜 世界宗教の礎(いしずえ) 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/04/13/022229

136. パッション 〜 宗教を題材とした作品の禁じ手 0点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/04/13/130359

137. 海を飛ぶ夢 〜 改めて生きるということ 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/01/113804

138. 愛の勝利 〜  改めて生きるということ 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/03/121736

139. 戦場でワルツを 〜 生と死の境界線をなぞる 6点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/04/114942

140.  眺めのいい部屋 〜 新旧の鬩(せめ)ぎ合いというダイナミズム 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/06/223513

141.  インドへの道 〜 東西の対立構造だけでは捉えきれない重層構造社会 2点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/07/112442

142. スラムドッグ&ミリオネア 〜 インド風味付けはNGでしょ! 6点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/09/024740

143. カストラート 〜 二度と再現されない人工美 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/10/091254

144. ドンファン 〜 伝説的プレイボーイの戯画 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/16/160821

145.  幻の城/バイロンシェリー 〜 好材料もこれじゃあ… 4点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/17/070356

146. フランケンシュタイン 〜 SFのはしり 6点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/19/100331

147. タンポポ 〜 社会派監督に合掌 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/23/100337

148. マルサの女 〜 社会派監督に合掌 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/23/113016

149.  マルサの女2 〜 社会派監督に合掌 6点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/23/125101

150. マルタイの女 〜 社会派監督に合掌 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/24/214938

151. 真珠の耳飾りの少女 〜 画家の伝記に静かな映像美 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/05/29/095457

152. 炎の人ゴッホ 〜 画家の伝記に加わる色彩 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/06/01/023308

153. 大いなる遺産 〜 終わり良ければ…画家の道は続く 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/06/01/071146

154, フリーダ 〜 画家の妻となった名画家 6点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/06/07/114903

155. クロッシング 〜 韓流ドラマは苦手だけれど… 8点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/06/09/090047

156. シュリ 〜 韓流ドラマは苦手だけれど…南北分断版ロミジュリ 7点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/06/12/042515

157. タクシー運転手 〜 韓流ドラマは苦手だけれど…歴史がそこにあるということ 9点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/06/12/114134

158. パラサイト 〜 韓流ドラマは苦手だけれど…韓国は断末魔では… 5点

https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/06/13/065727

159.

 

160.

 

 

 

 

【映画ルーム(158) パラサイト 〜 韓流ドラマは苦手だけれど… 5点】

【かわまりの映画ルーム(158) パラサイト 〜 韓流ドラマは苦手だけれど…韓国は断末魔では… 5点】 平均点:7.30 / 10点(Review 47人)  2019年【韓】 上映時間:133分

クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。  https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=25556

 

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、映画タイトルの次、"〜"のすぐ後ろのキャッチコピー、【独り言】と【参考】を除く部分の版権はjtnews.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。

 

【あらすじの独り言】

この作品のあらすじ執筆だけは勘弁してください。「みんなのシネマレビュー(jtnews.jp)」の会員のどなたか、お助けを!

 

【かわまりのレビュー】

えらく評判がよくていろんな国際映画祭の賞をいくつか受賞していることと昨今の日韓の軋轢を理解し、隣国をより良く理解する一助にならないかと思って映画館に出向きました。結果は完成度という点ではかなり高得点をつけてもいいけれど、隣国を理解できるかという点においてはほとんど得るものがなありませんでした。それになんと言っても後味の悪さ、胸糞の悪さは半端ではありませんでした。このままで行けば本作品はオスカーの外国語部門にノミネートされるのではないかと思いますが、今まで日本の作品でノミネートされたり受賞に漕ぎ着けた作品は全て、多かれ少なかれ、日本をアピールするものでした。そうでない場合は、アニメ作品に顕著ですが、「魔女の宅急便」のように外国を舞台にしたりしています。でも本作品で韓国を写しているところだあるとしたらそれは階級格差なのか、作品の中盤で登場する多重債務男なのか。。。 鑑賞中半ばで隣に座っていた中年のアメリカ人男性が席を立ちました。エンドロールの時に後ろに座っていた若いカップルが「良かった!」と言ったので「ハリウッド映画のコピーじゃない。だったら字幕のないハリウッド映画を見た方がいい。」と言ったら納得していました。家に帰ってから「おくりびと」の巻頭の部分を見ましたが、やはりのっけから仏教の様式美とチ〜〜ンの音。。。本作品をあえて劣化コピーとは呼びませんが、監督も製作者もハリウッド映画を見まくって「こうでないといけない」という型を学んで模倣しているとしか思えませんでした。本作品の完成度に高得点を付けるのは構いませんが、世界の知られざる文化を紹介しているかいないかという点においてはオスカー受賞は別の作品であって欲しいです。過去に7点をつけた韓国作品の「シュリ」も同じで最近減点しようと思っていたのであらかじめ低い点をつけておきます。暴力と流血がダメな方にはお勧めしません。

 

10 点をつけた方(1人)のレビュー

《ネタバレ》 金持ち家族に「寄生」することで、束の間の“優越感”を得た半地下の家族たちは、今までスルーしてきた家の前で立ち小便をする酔っ払いを、下賤の者として認識し、“水”をかけて追っ払う。
その様をスマートフォンのスローモーションカメラで撮りながら、軽薄な愉悦に浸ってしまった時点で、彼らの「運命」は定まってしまったのかもしれない。

世界中に蔓延する貧富の差、そして生じる「格差社会」。世界の根幹を揺るがす社会問題の一つとして、無論それを看過することはできないし、自分自身他人事じゃあない。
ただし、この映画は、そういった社会問題そのものをある意味での「悪役」に据えた通り一遍な作品では決してない。
確かに、“上流”と“下流”、そして更に“最下層”の家族の様を描いた映画ではあったけれど、そこに映し出されたものは、富む者と貧しい者、それぞれにおける人間一人ひとりの、愚かで、滑稽で、忌々しい「性質」の問題だったように感じた。

どれだけ苦労しても報われず、働いても働いても豊かになるどころか、貧富の差は広がるばかりのこの社会は、確かにどうかしている。
でも、自分自身の不遇を「社会のせいだ」「不運だ」と開き直り、思考停止してしまった時点で、それ以上の展望が開けるわけがないこともまた確かなことだろう。

そう、どんなにこの社会の仕組みがイカれていたとしても、どんなに金持ちが傲慢で醜かったとしても、この主人公家族の未来を潰えさせてしまったのは、他ならぬ彼ら自身だった。と、僕は思う。

千載一遇の機会を得た半地下の家族たちは、能力と思考をフル回転して、或る「計画」を立て、実行する。そしてそれは見事に成功しかけたように見える。
しかし、彼らの「計画」はあくまでも退廃的な“偽り”の上に存在するものであり、「無計画」の中の虚しい享楽に過ぎなかった。

“無計画な計画”は、必然的に、笑うしか無いスピード感でガラガラと音を立てて崩壊し、大量の濁流によって問答無用に押し流される。
そして同時に、己をも含めたこの世界のあまりにも残酷で虚無的な現実を突き付けられて、父子は只々愕然とする。

本当に裕福な者たちは、自らが“上流”に居ること自体の意識がない。
下流”に住む貧しい者たちの存在などその認識から既に薄く、蔑んでいることすら無意識だ。
“臭い”に対して過敏に反応はするものの、その正体が何なのかは知りもしないし、知ろうともしない。
勿論、大量の“水”で、押し流していることに対しての優越感も、罪悪感も、感じるわけがない。その事実すら知らないのだから。

なんという「戦慄」だろうか。
そのシークエンスの時点で、観客として言葉を失っていたのだが、もはや「世界最高峰」の映画人の一人である韓国人監督は“水流”を緩めない。

「惨劇」の果てに、計画どころか「家族」そのものが崩壊し、消失してしまった父と息子は、それぞれに、「無計画」であり得ない逃避と、あり得ない希望に満ち溢れた「計画」を立てる。
すべてを失った者たちが、それでも生き抜く力強さを表現している“ように見える”描写を、この映画は、最後の最後、最も容赦なく押し流す。
父親が言ったとおり、「計画」は決して思い通りにはいかない。父と息子は、地下と半地下でその短い命を埋没させていくのだろう。

完璧に面白く、完璧に怖く、完璧におぞましい。だからこそこの映画は、完膚なきまでに救いがない。
とどのつまり、このとんでもない映画が描き出したものは、「格差社会」などという社会問題の表層的な言い回しではなく、その裏にびっしりと巣食う際限ない人間の「欲望」と「優越感」が生み出す“闇”そのものだった。


世界中に蔓延するこの“闇”に対して“光”は存在し得るのだろうか。

金持ち家族の幼い息子がいち早く感じ取った“臭い”。
彼はその“臭い”に対して、どういう感情を抱いていたのだろうか。
“トランシーバー”を買ってもらうことで自らの家族と距離を取ろうとした彼の深層心理に存在したものは何だったのか。

このクソみたいな世界の住人の一人として、せめて、そこには一抹の希望を見出したい。
【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 10点

 

最低点4点をつけた方(1人)のレビュー

《ネタバレ》 パラサイト-寄生。なんかこの言葉から連想する厭らしい「したたかさ」や「ジメっとした感覚」そんなちょっとした「怖いもの見たさ」を満足させてくれる映画を期待していった訳ですよ。「庇を貸して母屋を取られる」的なジワジワした怖さをね…でもごめんなさい、全然違っていましたね。
前半の金持ち一家への侵入は、多分コメディーパートなのでしょうか、正直あまり面白くなかったです。金持ち一家に入り込んで寄生する過程がもっと綿密で絶妙なものを期待していたのに、胸をすくような詐欺手口とは全く別物。あの社長一家はみんなしてチョロすぎでしょう。家庭教師はともかく、自分の命を預ける運転手や食事を任せる家政婦の選定にこの杜撰さはちょっと…。そんな有り得無さがのほうが気になってしまい、ほとんど笑えませんでした。
でも後半の計画が破綻し始めるあたりから怒涛のスプラッターな展開、こうなってようやく持ち直してきた感はありました。「匂い」の使い方なんかはとても印象的で良かった。でも前半のがっかり感を挽回できるような、うならせる展開には残念ながら至らなかったようです。

全体をとおして思い返してみれば、格差社会批判としても詐欺モノとしてもコメディーとしても微妙な感じの仕上がりだと思うのですが、なぜこんなに話題作とされているのか…2019年は映画不作の年だったってことですか?
ひょっとしたら、「初のアジア発作品賞」とか「定説を覆した四冠達成」っていう話題性を作り上げないといけないほど、アカデミー賞自体が行き詰まっているってことなのかもしれませんね……
【ぞふぃ】さん [映画館(字幕)] 4点

 

9点の方レビュー

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=10&TITLE_NO=25556

5点の方のレビュー (わたしも5点をつけました。

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=6&TITLE_NO=25556

8点(最頻出)の方のレビュー

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=9&TITLE_NO=25556

 

【独り言】

最高点(10 点)最低点(4点)つけた方の両方に突っ込みどころがあるんですよね。もっともディスりではありません。本ブログ【映画ルーム】の母体である「みんなのシネマレビュー(jtnews.jp)」では他のレビューワーを貶すことは禁止されていて禁を破るとレビューを消去されてしまいます。わたしは他の方レビューを褒めて消去されたレビューが一つあります。ということで、「みんなのシネマレビュー(jtnews.jp)」のほうでは他レビューワーに触れるレビューワーは皆無なのですがご心配をなく。10 点をつけた【鉄腕麗人】さんレビューからですが、「単なる格差社会を描いたのではなく人間の飽くことのな欲望と優越感が作り出す闇を描いている」ので戦慄覚えるとのことですが、これはあくまで韓国という特殊な社会であるから飽くことのない欲望が格差社会形成に結実してしまったのであってわたしは楽観視しています。18世記後半にスコットランド産業革命の初期段階を目撃したアダム・スミスは経済主体のそれぞれが自分の欲望を追求してもなお経済や社会の秩序が保たれることを説くために有名な「国富論」を執筆しました。但しこれには但し書きあるはずで、アダム・スミスはそのことを「国富論」を超える大著になるはずだった「道徳感情論」で表そうとしましたがこれは絶筆に終わってしまいました。スコットランドを含むイギリスはこの後本格的な産業革命と階級分類を経験し、アダム・スミスから約百年後にイギリス滞在したドイツ人のカール・マルクスが階級社会をつぶさに観察して「資本論」を執筆して資本主義の不公平は共産主義革命によって正されると説いたのですが、結局共産主義革命が起きたのは先進資本主義国ではなく、資本蓄積が未熟な発展途上国においてでした。この事実をマルクスが生きていたらどう説明したのでしょうか? わたしはかえすがえすももしアダム・スミスが「道徳感情論」を完成していたら、あるいはマルクスが図書館に通う代わりにイギリスの国会に通い詰めて議会を傍聴していたら独裁者スターリン台頭もクメールルージュの大虐殺も中国の文化大革命での混乱もなかったのではないかと思うのです。さて、韓国ですが、1911年に日本が併合した時も、また日本の敗戦によって1945年に独立した時でさえ、朝鮮半島は資本蓄積が充分だとは言えませんでした。だから韓国の事業家が発展を継続させようとしたら間違っても本作品の中のパク家のように高台の豪邸に住むべきではなく、社内留保を厚くし、自ら質素な生活に甘んじ、レトルチャパックのジャージャー麺を食べたくなったら奥さんが自分で料理するべきなのです。そうすることによって給与の低い若年従業員に会社の発展に資する献身と倹約の精神を教え込むことができるのです。日本の企業はそうして発展してきました。この点はマルクスが「資本論」の中で「拡大再生産」という労働力の搾取を原資とするいかにも汚らしいものとして記述しているようですが、見方を変えれば(それほど大部でもないのに恥ずかしながら未読ですが)マックス・ウェーバーが「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」で説いている禁欲と欲望のバランスが社会と経済を発展させるという仮説が説明する挑戦的な社会に韓国は到達する前に左翼政権の出現やコロナウイルスによる社会の改変に直面させられてしまったような気がするのです。韓国における資本蓄積の未達は工場設備などといった有形の資本に置いてではなく知的財産権などの無形の資本に於いて著しく、韓国のGDPの2割の生産を担った年もあるサムスン電子は世界各地でアップルが提訴した特許訴訟に敗れて合計金額で東京スカイツリーは建つという賠償金を支払わされることになりました。更に顕著なのは韓国社会全体、特に若い人たちが敷かれたレールの上で競走馬のように競い合うことにはやぶさかではないものの、未知の未来に挑戦する柔軟性を備えて育っているのかどうかが不明なまま、昨今の経済の落ち込みによって若年層の相当割合が社会で学ぶ機会を得られない失業者となっている事実があります。敗戦後しばらくの日本とは異なり、「我が国では大規模な実験設備を可能にするだけの研究予算がないので理論研究盛んになった。」と胸を張るような理論系科学者がいるとも聞かず、少なくともそのような科学者がノーベル賞を取ったことがありません。ともあれ、現在の韓国は正に未知の未来を自分たちで切り開くしかない状況にあります。

 

最低点の4点をつけた方へはただ一言、映画を含む芸術の賞というものは「趨勢的に水準が下がってきた」とか「作られた当初よりもレベルが上がった」とiいうように批評できるものではなく、本来年によってレベルが激しく上下するものだということを訴えておきたいです。例えば革命の動乱の中で翻弄されて身を寄せ合う男女の不倫の愛を描いてアカデミー賞美術賞を受賞した「ドクトル・ジバゴ」は本来ならばノミネートされた多くの部門の賞を総なめしたかもしれない優れた作品でしたが、同じ年に他部門にノミネートされたのが不朽の名作「サウンド・オブ・ミュージック」だったのです。ナチス・ドイツの暴虐から逃れ、子供たちを守るために亡命を企てる軍人と家庭教師上がりの後妻の継母の献身の物語に不倫の話はいくらスケールが大きく画面が美しくとも勝てなかったということです。

【映画ルーム(157) タクシー運転手 〜 韓流ドラマは苦手だけれど… 9点】

【かわまりの映画ルーム(157) タクシー運転手 〜 韓流ドラマは苦手だけれど…歴史がそこにあるということ 9点】  平均点:7.58 / 10点(Review 19人)  2017年【韓】 上映時間:137分

クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。  https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=10&TITLE_NO=24548

 

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、映画タイトルの次、"〜"のすぐ後ろのキャッチコピー、【独り言】と【参考】を除く部分の版権はjtnews.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。

 

【あらすじの独り言】

韓国語は勉強しようと思ったことがなくいちいち英語字幕を読むのが面倒だったので勘弁願います。もう一度じっくり見てから書くかもしれません。あるいは「みんなのシネマレビュー(jtnews.jp)の会員の方どなたかお願いします。

 

【かわまりのレビュー】

主演男優の喜劇役者っぽい風貌のジャケットに惹かれてブルーレイを購入してしまった韓流ビデオ3本目です。これを見て韓国よりもどちらかと言えば中国寄り(政治的にではなく文化的に、もっと言うと映画的に)のわたしは「ああ天安門事件の映画はいつ製作されるのだろう?」と思ってしまいました。この作品が扱っている光州事件の引き金となったのは金大中氏の拘束だったと伝えられています。その金氏が大統領に選出され、歴代の韓国大統領の中では唯一かもしれない老衰による穏やかな死を遂げられてからもうしばらくになります。天安門事件もそうでしたが渦中にある人間には結構何が起きているのか訳がわからないことが多いのです。この作品の邦題にはぱっと見では訳がわからない副題がついていますがその訳は巻頭ですぐに理解することができます。重要脇役と言っていいドイツ人ジャーナリストの決死の光州への潜入が物語の鍵になっています。そして銃声から倒れる人々、銃弾が発せられた方向までの詳細な映像記録が光州で起きたこの民衆蜂起の本質が何であったのかを如実に物語り、韓国の現代史の貴重な1ページとなっているのです。これは実態が何だったのかわからない従軍慰安婦や徴用工(応募工)よりもはるかに重要な、韓国国民が誇るべき歴史だと思うのですがさて、韓国の現状はどうなのでしょうか。。。 終盤のカーチェイスはやはりハリウッドの真似かと思わせます。まあハリウッドの何を真似しようがテーマがオリジナルであれば瑣末事ではありますが。。。

 

 

9点(最高点)をつけた方のレビュー (わたしも9点をつけました。)

1.《ネタバレ》 2018.4.27金正恩軍事境界線を超え南に、金正恩文在寅が手をつないで北に行った日。
その翌日に1980年の光州事件を題材にした力作を見ました。
韓国映画の底力がすごい!自分の国の負の歴史、軍隊が自国民に銃口を向けたこと、しかも真実が隠されたこと、それをエンタメ映画にしてしまう。そこが韓国映画とソンガンホのすごさであり、受け入れる大衆の強さなのでしょう。セクハラで右往左往している国との違いでしょうか。

ソンガンホが演じる役は、いつもリキミがなくてちゃっかりした普通の庶民。
今回も滞納家賃を稼ぐ為、外国人レポーターを、そうとは知らずにタクシーに乗せ危険区域まで走らせてしまう。真実を何も知らないタクシー運転手は、歴史を何も知らない視聴者と共に、歴史の不条理を目の当たりにします。ちゃっかり者だったはずの運転手が、観て、震えて、感じて、泣いた、その気持ちを私たちも共に味わう。すごい映画です。それでてエンターテイメントです。
この映画の面白さと醍醐味を楽しむファンがたくさんいるんですね。立ち見までいました。今時立ち見席のある映画館があるんですね~。驚きました。【LOIS】さん [映画館(字幕)] 9点

2.「パラサイト」つながりでソンガンホ主演作を見ることにした。
自分がボーッとしていたのかもしれないが、こんな良い作品があったことを全く知らなかった。
登場人物に人間の良心を感じる。これはオススメです。【海牛大夫】さん [CS・衛星(字幕)] 9点

 

【独り言】

本作品から判るように、韓国の民主主義は血で贖われたものなのです。フランス大革命やアメリカ独立、アメリカの南北戦争でも流血によって参加した人々は貴重なものを得ることができました。でも昨今の韓国を見る限り、韓国の人々はそのことの真髄に気付いているのだろうかと疑問に思わざるを得ないのです。韓国の民主主義は血によって得られたと認識してはいてもその民主主義とは何なのか果たして分かっているのかどうかが疑問なのです。民主主義とは決して多数決ではありません。多数決とは民主主義という過程を締めくくる儀式のようなものであってそこ至るまでに代表となるものが意見を戦わせ少数意見の長所を取り入れ、選ぶ者と選ばれる者とが知見を広めていってこそ儀式としての多数決により多くの人々の利害と見識が反映されるはずであり、だからこそ人々は自分たちの選択に責任を持つという責任が生まれると思うのですが、韓国では蝋燭デモによる朴槿恵大統領の弾劾の過程を見る限り国民が自分たちが選んだ朴槿恵大統領に責任を持ったとは到底思えず、大統領に対して正義の鉄槌を下したと言えば聞こえはいいけれど結局は大統領の私的な友人に対する妬みがに突き動かされて自分たちに直接影響する経済政策について全く無知だった文在寅大統領に選んでしまったとしか思えないのです。そして文在寅が取った左寄り路線は韓国経済を破壊したのみならず、北朝鮮に接近することによって今や言論の自由や人権など民主主義の根幹までが揺るがされているような気がしてなりません。韓国国民はもう一度光州事件によって流血という代償を支払った民主主義の本質について考えていただきたいものです。

【映画ルーム(156) シュリ 〜 韓流ドラマは苦手だけれど… 7点】

【かわまりの映画ルーム(156) シュリ 〜 韓流ドラマは苦手だけれど…南北分断版ロミジュリ 7点】 平均点:5.82 / 10点(Review 264人)  1999年【韓】 上映時間:125分  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=567

 

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、映画タイトルの次、"〜"のすぐ後ろのキャッチコピー、【独り言】と【参考】を除く部分の版権はjtnews.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。

 

【あらすじ】

韓国政府諜報部員のジュンウォンは恋人ミョンヒョンとの結婚を控えていたが北朝鮮の女性諜報部員が犯人とみられる韓国要人射殺事件の解明に余念がなかった。おりしも新種の大量破壊兵器北朝鮮のしわざと考えられる巧妙な手口で奪われて兵器の移動や韓国側の諜報部員の動きが全て北朝鮮側に先読みされているという恐ろしい事実が発覚、南北共同開催によるワールドカップ・サッカー大会を控えた韓国諜報部は警戒を強める。一方、私生活では理由もないのに酒にのめり込むミョンヒョンをジュンウォンはどうすることもできなかった。

 

【かわまりのレビュー】

冒頭だけでもいいですからアメリカの政府高官やCIAの人に是非この映画を見てほしいです。国家を最優先して指令どおりに殺戮と破壊を行うことを使命として国家とは何かなどと考えもしないような人間を養成する某国と国境で接したり大陸間弾道弾の射程距離に入っている韓国や日本のことを、イラクに行く前に考えてほしかったです。ハリウッドばりの派手なアクションや撃ち合いが見せ場ですがハリウッドがこの手の現代物の作品を作っても国家やイデオロギーの対立までは描けず、せいぜいギャングの撃ち合い程度の作品に終わるだけでしょう。貧しい北朝鮮と豊かな韓国の日本と変わらない日常生活との対比にも考えさせられました。でも北朝鮮の諜報部員が「北の人間が飢えているのに南の人間は・・・。」なんて言ったりするでしょうか・・・。北朝鮮は日本や韓国の国民は資本主義の重圧と搾取に喘いでいると頭から思い込んでいるはずなんですが・・・。(でもこれはさほど重要なことではありません。)北朝鮮よ、くやしかったら資本主義の重圧に喘ぐ人民を救済するスーパーマン映画でも作って日本やアメリカでヒットさせてみろ!韓国と朝鮮が東西ドイツのようにハッピー・エンドに終わることを願って、この悲しいストーリーは娯楽系作品に私がつけることにしている最高の8点-1点とします。

 

10 点満点をつけた方の中から秀逸なコメント

1. メッセージ性と娯楽性をともに備えた秀作だと思います。、、、、、(誤解があるかもしれませんが)、、、、チェ・ミンシクの狙いは、南北の両首脳、つまり金正日金大中を同時に抹殺して、その混乱に乗じて南北統一を図ろうというもので、赤色革命を行おうというものでは決してないですよね。もちろん、直接名指しで登場すると問題もあるので、金正日金大中という名前は使ってないけど。、、、、、、彼らの目標は、北のような社会主義ではなく、あくまで祖国統一。将軍まんせいなんて一言も言っていない。、、、、、北朝鮮の悲惨な状態を野放しにしている金正日、そしてそれを容認している金大中太陽政策に対する、痛烈な批判。、、、、彼らのテロを、ヤンゴン事件や大韓航空機爆破事件と重ね合わせてしまい、チェ・ミンシクのターゲットが金正日であるということを見落とすと、全然違った、どうしようもない映画に見えてしまうでしょう。、、、、キム・ユンジンも南と北のどちらをとるかで揺れているのではなく、祖国統一と南での個人的幸福の間で揺れている。(社会学者のM台氏もちゃんとみてんのかなぁ??、、、M台氏は、この映画は北を批判していないとか、太陽政策の肯定だとかいっているけど、何をとぼけたこといっているのだろう。キム・ユンジンが最後に狙う、警備された車に乗っているのは、誰だと思ったのか!!!! 金正日か、金大中かどっちかでしょ!!!!)、、、、、私の個人的な思いこみかもしれないですが、キム・ユンジンが最後まで狙ったのが金正日だと仮定して、キム・ユンジン最後のシーンを思い浮かべると、これを書いている今も、あふれる涙を抑え切れません、、、、。【王の七つの森】さん 10点

2. とにかく泣けました。一日で二回見た映画はなかなかありません。二回とも泣いてしまったな~。日本語版で見たのですが、同じアジア人のせいかなんの違和感なく台詞が耳に入ってきました。評価が低いのは字幕バージョンのせいなのかな??日本語版で見るのをお勧めいたします。【シネマパラダイス】さん 10点
3. 《ネタバレ》 意外に少ない「泣けるアクション映画」の傑作。アメリカのアクション映画が確立した「お約束」を使って、独自性のあるストーリーを盛り上げ、感動のクライマックスに導いている。特に「(言葉で上手くあらわせないが)銃を向け合って円陣で囲む」構図は、以前から存在したものだが、効果的に多用されていて、かっこよかった。ところでラストで、ヒロインの銃は、大統領の車に撃った時点で、弾切れだった(装弾数は5発と、最初の方に説明がある)。だから主人公が彼女を撃つ必要は、実は全く無かったのだ。それでも撃ってしまったところに、やるせなさと切なさを感じずにいられない。【IKEKO】さん 10点

 

0点をつけた方からのコメント

アジア映画がハリウッドまがいの映画つくってもしかたない。韓国映画も日本映画のように自分の国らしさをだすべきだ。そうすれば世界の評価も高くなり、荒野の七人やスターウォーズのように向こう(ハリウッド)の方がパクろうという気になるわけだ。ハリウッドは絶対なものではないという意味をこめて、ハリウッドを絶対視したこの映画はあえて厳しく0点。【ワオキツネザル】さん 0点

 

【独り言】

民族の南北分断下での南のエリートと北の工作員のロミジュリ物語という韓国でしか扱えないテーマであることにプラスの評価、そして0点をつけた方の代表意見のようにハリウッドの真似をしてストーリー以外の美術やアクションで韓国らしさを出していないところを大きなマイナスとせざるを得ない作品です。この作品が発表された年はベルリンの壁崩壊からすでに10年、チェルノブイリ原発事故でソビエト連邦の隠蔽体質や国際協調精神の欠如が明らかになり、ソビエト連邦は崩壊していたのにわたしたち日本人の分断国家の片割れである韓国に対する同情は色濃く残っていました。