かわまりの映画評と創作

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【映画ルーム(14) ハムレット(2000) 〜 永遠のシェイクスピア 8点】

【かわまりの映画ルーム(14) ハムレット(2000)   〜   永遠のシェイクスピア  8点】平均点:4.46 / 10点(Review 28人)   2000年【米】 上映時間:112分  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。  https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=1666

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【あらすじ】

ニューヨークに本社を置くデンマーク社の社長の息子ハムレットは父の訃報に接して留学先から戻るが、待ち受けていたのは社長に就任した叔父と叔父との再婚を決めた母だった。困惑の中でハムレットは父の幽霊を目にし、叔父に殺された模様や無念の心境を聞かされるが、以後鬱々として思索ばかりを膨らませ、恋人オフィーリアやその父で会社重役のポローニアスにあたって周囲を困惑させる。思い切った行動を取れないハムレットが母の軽薄を責め、ポローニアスを誤って殺した時から運命の歯車は経営者一族全員を悲劇へ導くべく動き出す。

 

【かわまりのレビュー】

ハムレットを現代に置き換えて原作の英語でしゃべらせているのが不自然との意見が多いのですが、失礼を覚悟で言わせていただくと、そう書いていらっしゃる方のうち何割がシェークスピア英語を理解できるのでしょうか?かく言うわたしも英語圏での生活は長くて現代アメリカ英語なら日本語字幕は不要ですが、いきなりシェークスピア英語で道を聞かれたりしたら「あわわ・・・。」となってしまいます。私が注文をつけたいのは字幕翻訳です。これも見もせずにケチをつけて恐縮なのですが、もう少し遊び心があってもよかったのでは・・・?「ハムレットデンマークに縛られている(国のために政略結婚するかもしれない)から気をつけなさい。」とレアティーズが妹オフィーリアに諭すところなんて「ハムレットほどの金と地位と将来がある男はどんな女だってものにできるから気をつけなさい。」とか訳しても全く問題ないと思います。実際、アメリカでテレビ放映されたモーツアルトのオペラ「コシファントゥッテ」現代版の字幕(原語はイタリア語)には「駐車場でディスコ・パーティーがあるんだって・・・。」とかの笑える迷訳が満載されていました。興行なんだから見る人を楽しませるよう工夫するのが当然でしょう。そうすれば原語がわかる人は二倍楽しめます。ニューヨークの幻想的風景とブラームスの深刻な交響曲が原作の雰囲気を醸し、メル・ギブソン版では私が減点対象とした父の幽霊の演技も完璧、ビル・マーレイのポローニアスにも役者冥利につきるとでも言いたげな貫禄がありました。英語に関して言えば、シェークスピア独特のリズムのある英語は時代劇でも結構不自然で「芝居だから」と鑑賞モードを切り替えてこそ堪能できると思うので現代の設定に合うとか合わないではないと思います。(「エリザベス」や「恋におちたシェークスピア」は現代英語です。)オフィーリアは清純でありさえすれば美人である必要はないし、ニヒルな雰囲気のイーサン・ホークもわりと好きですし、鑑賞した方の気分をそいだのは映画製作チームとは無関係な字幕だということで、高めの点数を献上します。 ただ、やはりシェークスピアを初めて見る人にはお勧めできないかもしれません。 また、ハムレットが叔父を試すために催した劇中劇の内容がいまいちで残念だし、父社長殺害方法やハムレットのイギリス送りのエピソードにも現代社会と整合性をもたせてほしかったです。

 

 

6点の人のコメント

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4点(最頻出点)の人のコメント

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=5&TITLE_NO=1666

 

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