かわまりの映画評と創作

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【映画ルーム(143) カストラート 〜 二度と再現されない人工美 7点】

【かわまりの映画ルーム(143) カストラート 〜 二度と再現されない人工美 7点】平均点:7.03 / 10点(Review 33人)  1994年【伊・仏・ベルギー】 上映時間:106分

クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=787

 

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【あらすじ】

18世紀。作曲家の兄リカルドとソプラノ歌手の弟カルロはヨーロッパを共に旅して名声を博す。カルロの声と人柄に惹かれた女アレクサンドラは兄弟を追い、ロンドンで大作曲家ヘンデルの歌曲の草稿を盗んでカルロに与える。父を知らないカルロは父のないイギリス貴族の少年と親しくなり、イギリスに腰を据えようとするとするが、カルロが自分の曲を歌っていることを知ったヘンデルは激怒してカルロを化け物呼ばわりする。一方、リカルドは協力者の弟をヘンデルとアレクサンドラに奪われないよう、ヘンデルを超える作品の作曲を目指す。

 

【かわまりのレビュー】

何がグロイといっても、男にしか見えないカルロから超高音の美声が発せられるのが一番グロイと感じました。結婚して女の花道を「ハイ、さよなら。」してしまう歌姫と違って何時でも卓越した芸術の粋を見せてくれるからでしょうか、カストラートというのは正に金持ち王侯貴族のエゴの作り出した男とも女ともいえない存在・・・作中のヘンデルのようにバケモノ呼ばわりするのは本人に選択の余地がなかったカストラートにはあまりに酷です。これに比べれば、舞台の上では女性美の粋を極めても私生活では男であることを許される歌舞伎と京劇の女形のなんと人間的なことか・・・。中国の宦官と比較している方もいるようですが、どちらも爛熟した文化が生んだなんとも形容しがたい存在ですね。兄弟愛も恋愛もそこそこの描写で一風変わった音楽映画という感じ。ヘンデルの「ラルゴ」の歌唱は文句なしにすばらしかったです。

 

10 点(3人)の人のレビュー、ついでに9点の人の短いけれど良レビュー

1.  「カストラート」のビデオみた―ィ!誰か貸して~だって途中からテレビで見たから最初が知りたくて~familia-importante@ezweb.ne.jpに情報頂戴【棘】さん 10点

2.  声に感動した。合成の声でも感動した!最高!本物のカストラートの声が生で聴きたい!あの時代にいきたいです。久しぶりに感動しました。カルロも素敵な青年でよかったです【タカ】さん 10点

3.  ファリネリのソプラノ、合成であるものの完璧に口パクが音とあってるためとても自然でした。映画としては7点ぐらいだけれど、歌のシーン1つ見ただけで10点です。【エーテル】さん [DVD(字幕)] 10点

4.  素晴らしい。こんなに面白いのに知名度が低いのが残念。芸術のためなら人はこんなこともできてしまうのね。あの時代だからこそここまで芸術にのめりこめるんだとは思いますが。できるだけ多くの人に観てもらいたいですね。【たーふじ】さん 9点

 

最低点は5点です。結構評価が高いですが低めの点数は好き好きからか… 3人分全部載せておきます。

1. 作品における「嘘」は1つぐらいまでならいいのかもしれない…

この作品は、
・現代の人間が18世紀の人間を演じるということ
・普通の男性が、去勢によって第二次性徴による変化を経ていない男性を演じること
・口を動かす俳優と実際に聞こえてくる歌を歌う人は別であるということ
という、思いつくだけでも上記の「嘘」があり、それ故に嘘くさく生理的に受け付けない作品となってしまっていた。

多分見たのは2回目、1回目は印象に残らず(なので、見た気がするけどもう1回見るか…となり)2回目は嘘くささが気になった。

リアリティを重視しない人なら楽しめるのかなー…お金はかかっていると思うので。
【Sugarbetter】さん [CS・衛星(字幕)] 5点

2.  あの声にはアタイもぶっ倒れそうですよぉ!【もりしげひさや】さん 5点

3.  歌のシーンがちょっとあきて早送りした。何となく見た後怖くなってしまって、後味悪かった。【たまお】さん 5点