かわまりの映画評と創作

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【映画ルーム(153) 大いなる遺産 〜 終わり良ければ…画家の道は続く 8点】

【かわまりの映画ルーム(153) 大いなる遺産 〜 終わり良ければ…画家の道は続く 8点】 平均点:6.17 / 10点(Review 96人)   1998年【米】 上映時間:110分  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。 https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=687&

 

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、映画タイトルの次、"〜"のすぐ後ろのキャッチコピー、【独り言】と【参考】を除く部分の版権はjtnews.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。

 

【あらすじ】

両親を亡くした少年フィンはフロリダの海辺で絵を描くことだけを楽しみに姉に育てられていたが、ある日脱走中の囚人らしい男の逃亡を助ける。その後、沼沢地の謎に満ちた邸宅で過去の恋を捨てきれない老嬢とその養女の美少女エステラに出会ったフィンは励まされて絵画の腕を磨くが、エステラとの子供同士の関係が恋愛に変化し始めた頃、エステラは突然フランスに留学して姿を消す。フィンはエステラや屋敷、画家になる夢などを忘れて漁師になるが、成人したフィンに匿名の人物がニューヨークでの画家デビューを勧めて資金を提供する。

 

【かわまりのレビュー】

これもあらすじを投稿してから十年もの間レビュー投稿を忘れていた作品。作品中でイーサン・ホークが演じる一流画家の才能を秘めた漁師の青年フィンの絵画にかける想いに焦点が当てられるわけでもなく、少女から女へ変化していくミステリアスなエステラに対するフィンの恋心に焦点が当てられるわけでもなく、ストーリー的には「中途半端やなあ」という感想しかない本作品に超アマの8点をつける理由はひとえにフィンが描いたことになっている洒脱な絵に魅せられたからです。でもフィン人生はそれでいいのではないかと思います。本当はこうなって、ああなっていればストーリー的に面白いのに、とかもっと幸せになれたとかいう意見を戦わせてみるのもいいかもしれません。映像美は抜群です。

 

10 点の人、全員集合!

1.そもそもディケンスの原作が素晴らしいからそのまま映画化しても面白いに違いないが、この映画はディケンスの原作をより素晴らしい作品にしている。英国や米国の普通の人達であれば、ディケンスの原作を読んでいるはずなので、その前提で作られた映画に違いないと考えると、原作を知らずにこの映画を批評するのはやめるべし。【たかし】さん 10点
2.《ネタバレ》 私の中でこの映画はとても印象に残る映画だった。点数をつける程、私は映画に詳しくないけれど、とにかくこの映画は好きです!子供の頃の話もよくて、水を飲む所はとても心に残る私の好きなシーンの一つになりました。【よっちぃ】さん 10点
3.自分には、ハマッタ作品。映像も綺麗だし、音楽が場面に合っている。原作を読んではいないが、詩的で深い台詞も好きです。男なら、振り回したいと思いつつ、振り回されるのもいいね。映画一本が丸ごと頭に入っています。【ビンセント】さん 10点

 

最低点(1点)をつけた2人の方のコメント

1.出演者はかなりよかった。が、それだけ。個人的にこの映画を見終わったあとの、内容とタイトルの乖離にとまどいを感じた。大阪人とみながら、ツッコミを絶えずいれていた。【ポカホンタス】さん 1点

2.まず、話のテンポが非常によろしくない。男性と女性の子供の頃からのつながりの見せ方は悪くないのだが、内容的に、時間をかけなくとも見せられるモノだし、脱走した犯罪者と浅瀬で出合うシーンや、少年時代に通う不思議な屋敷など、意表のついた設定が得に活かされていない。どうもスッキリしない部分が多く、中だるみ感が強いのもマイナス要因。【sirou92】さん 1点

 

最高点と最低点のコメントから分かる通り、ストーリー派の鑑賞者(点数低め)と美術・音楽派の鑑賞者(点数高め)がはっきりと分かれる作品です。10 点をつけた【たかし】さんのコメントは拝聴に値しますが、畢竟映画作品は原作から独立して一人歩きするものだという自論も捨てられません。わたし自身は原作未読なので読破後にまたコメントを追加したいと思います。

 

ご近所の良レビュー

《ネタバレ》 たぶん20年くらい前に録画したんですが、なぜか一度も観ることはなかったんです。
今回、洋画専門チャンネルで見つけて若いころのイーサン・ホークが見たくて鑑賞しました。

期待以上の面白さでした、特に前半がいいですね。何がいいって、子役の二人が最高にいいんですよ、なのでダンスしながらエステラがグウィネス・パルトロウに変わったシーンの落胆、あの当時ピークだったグウィネス、とにかくヒロイン役であっちにもこっちにも出てた時代だったから仕方ないとこはあるんだけどね。
イーサン・ホークと子役は面影を感じるんですよ、特に目。
だけどさぁエステラの方は子役の方が完全に美形でミステリアス、なんか入り込めなくなってしまいました。

フィンが画家として成功する方はおとぎ話みたいだと思いながら観ていました。エステラに翻弄されまくるフィンをイーサン・ホークは見事に演じてたと思います。ポチャッとして野暮ったい若いころ、でもラストはすっきりシャープになって垢ぬけてる、どっちから撮影したのかわからないけど見た目の変化も見事ですね。
ただ、原作は当然全く違うのはわかりますが「大いなる遺産」なんていうタイトルにしては深みとか奥深さは感じなかったです。
映像とカメラワークは一級品ですね、印象的なシーンがいくつかあります、セントラルパークかな?橋の下で向き合ってエステラがプロポーズされたとフィンに告げるシーン、2人の顔がシルエットみたいになってるとこ。あの橋のとこってよく映画に使われるのかな?なんかいろんな映画で何度も見たことあるような気がするんですよね。
脇を固めるのがデ・ニーロ、アン・バンクロフトクリス・クーパーとなにげに豪華。
んー、この中ではジョーだなぁ。クリス・クーパー昔から大好きです。【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 7点