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【映画ルーム(40) シラノ・ド・ベルジュラック 〜 名優が古典に挑戦 10点】

【かわまりの映画ルーム(40) シラノ・ド・ベルジュラック 〜 名優が古典に挑戦 10点】平均点:7.93 / 10点(Review 42人)  1990年【仏・ハンガリー】 上映時間:139分  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。

 

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、独り言を除く部分の版権はjtnew.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。


【あらすじ】

剣の達人で詩人の士官シラノ・ド・ベジュラックは従妹のロクサーヌに恋をしているが醜い顔のせいで愛を告白できない。ロクサーヌが自分の部下でハンサムなクリスチャンを恋し、彼女を恋するクリスチャンが弱い頭のせいで積極的になれないと知ったシラノは「君が外見、僕が中身を担当する。」と、恋文の代筆から愛の告白シーンでの影のコーチまで勤めてクリスチャンを助ける。やがて二人は戦争に駆り立てられ、ロクサーヌは次々と届く熱い恋文に矢も立てもたまらずに男装して戦場に向かうが、彼女が恋しているのは一体どちらなのか

 

【かわまりのレビュー】

《ネタバレ》 中盤であまりにも笑ったのでこの作品を「コメディー」に分類して、私の個人的な基準である「娯楽系(含、ミュージカル)は8点が満点」を適用して8点にしようと思ったのですが、最後の哀愁、ジェラール・ドパルデューの名演、また、シラノ・ド・ベジュラックが実在の人物で、彼をモデルにしたロスタンの戯曲も古典といっていい作品なので10点を奮発することにしました。とにかく、これぞフランス映画の粋、前の方が書いていらっしゃるようにドパルデューの一世一代の演技を満喫できます。音楽も映像も満点です。いくら醜男でもこれほど屈折しているのは珍しいんじゃないかという気もしますが、そこはオハナシ・・・現実だったらどんな醜男でもいつかは「もういい加減にせーや。彼女は俺の女だ・・・。」と外見役に迫るだろうし、外見だけの男に迫られた女性もよほどのアホでない限りどこかで真実を知るはずだと思いますが、シラノ・ド・ベジュラックが死ぬまで本心を明かさない、しかも外見役が死んでもなおかつ・・・というナンセンスを表現してみせるのが文学や映画の虚構であり、それを「これが本当だったらあほらしい・・。」と観客に思わせながら感情移入させてしまうのが俳優の才能だと思うのです。

 

10点の人のコメント

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=11&TITLE_NO=156

9点(最頻出点)の人のコメント

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=10&TITLE_NO=156

4点(最低点)と5点の人のコメント

1. もうすごく退屈。
なんか無理に映画にした感じで、違和感だけがずっとある。【miumichimia】さん [DVD(字幕)] 4点

2. 《ネタバレ》 話としては大した魅力はない。
古典的というか戯曲的というか。
映画としてみると、違和感を感じる。

ラストの数十分はそれなりに魅力的。
人を外見でなく内面で愛することへの帰着。
それを巧くみせている。

恋愛への架け橋は外見がある程度は必要。
ただし絶対の愛を得るには内面も重要。
なかなか難しい。【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 4点

3. 《ネタバレ》 ものすごく気が滅入って、不愉快になるのでこの点数です。古典の名作が原作なので、この程度のレベルのストーリーでも許されるのではないかと思います。原作のことはわかりませんが、この映画を見るかぎりの私の印象では、自己犠牲的な美談(シラノはヒーロー)に仕立て上げようとしているけど、実際は、自分の外見に極端なコンプレックスを持つ男が、自己満足的な屈折した愛情表現によって、自分が愛する人をも、その人が愛する人をもかえって不幸にしてしまった悲劇(シラノは諸悪の根源)としか思えません。とりあえずロクサーヌに当たって砕けてみればいいのに。それでもし「あんたみたいなデカ鼻は嫌いだ」とでも言われたら、何年もかけて自分の愛情を証明してみせればいいのに。だいたい、人間は外見じゃないってことはシラノ自身が一番よく知っているはずなのに、美人のロクサーヌへの愛情に異常に執着しているのが変。それに、美女に寄せる醜男への思いが通じるっていうのをサクセスストーリーとして描いているその価値観が大嫌い。よく学園もので、クラスの男子全員のあこがれの的の美人を、ブサイクでさえない男子が射止めるっていうのをサクセスストーリーとして描いているのと同じレベル。人間は外見じゃないって言いたいなら、外見にこだわらずに、いかに気持ちが通じ合うかに重点を置いたストーリーが見たい。最後にはシラノの思いが通じることになっているけど、ロクサーヌはシラノの文才に心を動かされただけであって、本当にシラノと気持ちが通じ合っているのという疑問が残る。【チョコレクター】さん 5点

 

【独り言】

大きな鼻のチョーブ男ジェラール・デパルデユーはさなが獅子鼻ツリ目のブ男俳優俳優、渥美清のフランス版。アレクサンドル・デュマの名作「モンテクリスト伯」の主人公の人tp成りをどう想像するかは人様々だろうが、フランスのTVシリーズではデパルデューが演じました。

 

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/person.cgi?PAGE_NO=2&PERSON_NO=918   もご覧ください。


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