【映画ルーム(142) スラムドッグ&ミリオネア 〜  6点】

【かわまりの映画ルーム(142) スラムドッグ&ミリオネア 〜  インド風味付けはNGでしょ! 6点】 平均点:7.14 / 10点(Review 237人)  2008年【英・米】 上映時間:120分

クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。  https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=16647

 

【あらすじ】

なぜ、無学のスラム出の青年がミリオネーアで次々と正解していくのか?その過酷な人生こそが彼に知識を与えていました。ムンバイに生まれ、唯一の母が死に兄と共にたくましく生きるジャマール。同じ境遇のラティカと出会い3人で行動を共にしていたが、親切な人達だと思っていた人達が大変な悪党だった!ラティカを残し彼らはより過酷な人生へ....【としべい】さん

あらすじ執筆者のページ: https://www.jtnews.jp/cgi-bin/revper.cgi?REVPER_NO=20527

 

【かわまりのレビュー】

子役が登場する作品では点数辛め、波乱万丈の原作と違いすぎ(本作品も十分波乱万丈だと思う方もいると思いますが)、この後、高評価が続きそうなのでひねくれ根性を発揮、加えてムンバイ出身のインド人が「インド映画なんて、美男と美女と悪漢が必ず登場して、すったもんだの結末が最初から見え透いている作品ばかりだ・・・。」と言ったその雛形どおりの作品なので点数は超辛です。インド映画ではオースティンの「Pride and Prejudice(高慢と偏見)」をもじった「Bride and Prejudice(花嫁と偏見)」という、アメリカの映画評で少しだけ取り上げられたミュージカルがきれいで楽しかった記憶がありますが、アカデミー賞を総なめにしたこの衝撃は一体何なのか・・・。やはり、スラムの汚さとクイズ番組の華やかさを組み合わせたアイデアのせいでしょうか。確かに雛形どおりでも原作と異なってもカタルシスを与えてくれればいいのですが・・・。原作では主人公がしぶとい悪者で兄(原作では兄貴分)のサリムが俳優を目指すまじめな少年、主人公の恋人がもっとすごい職業に就いていて、アクションや発砲だけではなく病気や死、殺人や強姦(そ、そ、そうなのです)のエピソードまであったので本作品を見て少しがっかりしました。主人公がアグラのタージマハルでもぐりのガイドをした時の最初の観光客が原作では日本人だったのですが、映画では白人だったのでこれはいいことだと思いました。監督はイギリス人ですがストーリーと最後の歌と踊りはインド映画の定番、主人公を尋問する警部(原作では主人公の身の上話を聞くのは女性弁護士)が王貞治監督を黒くしたような哲学的な顔立ちをしていたので「ガンジー」をもう一度見たくなりました。ところで、原作者で外交官のヴィカス・スワラップはもうすぐ総領事として大阪に赴任するそうです。彼が「ブラック・レイン」を超える日本を舞台にしたアクション物の原作を書いてくれることと、スラムの子供たちの中からオーディションで選ばれた子役たちが立派な俳優に育つことを期待しています。

 

10 点満点の人から秀逸なコメント

1.《ネタバレ》 ・・・意外に点数低いなぁ。私は世間の絶賛とアカデミー8部門受賞という本作の権威を笠に着て、大激賞のイヤらしいレビューをしますけど・・・みなさん泣きませんでしたか?。(かわまりの口出し: 原作を読んでいるとシラけます。) 私はボロ泣きでしたよ。単純だからでしょうか?。(かわまりの口出し: その通りです。) /途中主人公が示唆するように、あの4択のクイズ番組って出題範囲などなく問題内容に出題者の恣意が許されてるので、解るわけない問題出すことなど簡単なわけで(極端なこと言えばみのもんたのプライベートな事柄出せばいい)、欺瞞に満ちたものです。最終的には出題者も左右できない「運」に結果が左右されるいいかげんなものです。安全な高みからうろたえる無知で貧乏な金目当ての解答者を小バカにする醜悪なものです。でも、それってこの世界そのものみたいじゃないですか!。だからこそ、少なからず冷酷な現実に拒絶され続ける我々はインドの視聴者たちと同様、身勝手に主人公を応援し、豊かなくせに彼に自らを重ね、世界を変えたいと願うのです。ムンバイのビル群を見下ろしながら今「世界の中心」にいるという兄のセリフは自己肥大の傲慢さから出たのかもしれませんが、あのシーンには妙な説得力とスケール感がありました。この映画には世界の核心、世界の全てが描かれているという錯覚(そんなわけないけど)を抱きました。本作は最高のエンタメであると同時に突き抜けた崇高さがあると私は勝手に思ってます。(かわまりの口出し: 主人公の兄役にあんな人相の悪い俳優を起用しておいて何言ってんの?) /前半のスラムの場面に顕著な全編に渡る疾走感と溢れる生命力は絶妙の音楽とポップな映像に支えられています。もはや風格漂う王道の派手さ、悪趣味さ、カッコ良さじゃないでしょうか?。オペラでも恥ずかしいような純愛は、当初より示される「運命」的な(作られた)全体の構成からすれば当然のこと!。所詮戯れの作り事であることを忘れさせる壮絶な展開をファンタスティックに染め上げるラスト。(かわまりの口出し: ちを分けた兄貴が死んじゃってあれはないでしょ!) その快感の余韻は極上!。(かわまりの口出し: 前出と同じ。鑑賞後、なんかこう生きる気力みたいなもんが湧いて元気が出ました。映画ってそれが最高で、それだけでもいいんじゃないですか?。自己満足でもいいです。なんか今後0点もつけられそうな映画ですけどね・・・。【しったか偽善者】さん [映画館(字幕)] 10点  (かわまりの口出し: 原作の方が100倍ええわ! わたしが読んだのは英語の原文で日本語訳には責任が持てませんが。。。)

10 点の他のレビューは次のURLをどうぞ。https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=11&TITLE_NO=16647

 

低得点(1点と3点)をつけた人のレビュー

1.  冒頭「なぜジャマールはクイズミリオネアで正解することができたか」という問いかけが与えられるのですが、正解は私の想像を超えた、もっともつまらない理由でした。
名作かもしれませんが、私の人生観から著しく逸脱しているので好きになれません。【Donatello】さん [DVD(字幕)] 1点

2.  《ネタバレ》 ここの評価点が高いのと、「クイズミリオネア」が絡んでる興味で、ネットの無料視聴で観てしまったが、娯楽的価値は無い映画。児童の道徳教育的主観で考えると良い部分もあるかもしれないが、いろいろな意味で汚すぎるシーンもある為、一概には、子供の為に良い映画とも言えない。エンディングのダンスには思わず苦笑い。この映画の中で、ある意味最も怖い。【爽やか林檎】さん [インターネット(字幕)] 3点

3.  《ネタバレ》 特にストーリーもなく淡々と過去の経験を基に問題を正解していくだけ【シトロエン】さん [DVD(字幕)] 3点

4.  運命だったって・・・なんですかそれ。【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 3点

5.  《ネタバレ》 うんちにドボンしてスターを追いかけるシーンで観る気を損ねた。しかも、人波かき分けてスターにたどり着き、何の難もなくサインをもらえて、完全にアホくさくなった。そのまま観るのやめたら、ここで文句の一つも吐き出せないので半ば怒り気味に鑑賞。そのうえでの感想・・・あそこまで奇跡的偶然を積み重ねてOKなら、どんな人生送ったどこの誰が10問正解したって構わないじゃないですか。あー、やっぱ結局アホくさ! 面白かったのは、トイレの鏡に『B』の文字のくだりのみ。それだけ。でも、司会者が主人公を落とそうとする理由がわからないし、主人公が司会者を信じなかった理由もわからない。いっそのこと、人を信じなかったために不正解して全てを失う話にしたら良かったのに。なーんてね。あと「お茶汲み」「お茶汲み」って軽蔑的に表現するのがウザイ。そのお茶汲みが努力と根性と英知で大成功をつかむわけじゃなくて、単に「偶然」でミリオネアに10問正解する話。人生、夢があった方がいいけれど、こんな夢は勇気や希望に繋がりませんわな。ラティカをそんなに愛して追いかける理由もわからない。彼女の内なる魅力(主人公との心の絆など)は描かれないし単なる添え物。もっと二人の心の絆を描いて、ラストは問題そっちのけでテレホンで強く気の利いたセリフやってくれたら「いい映画」と思えたかも。なんでアカデミー賞? 踊りありのエンディングは面白かったけどね。アカデミー賞って最近どうかしてると思います。映画全体が質低下してるなら「該当作なし」くらいのスタンスとればいいのに。過去に賞逃した作品がかわいそうに思えます。【だみお】さん [DVD(吹替)] 3点

6.  《ネタバレ》 なに なぜ なして? 

なにがどうなの? 
なにがウケたの? 
なしてなの? 
なにがなぜして なしてやのん? 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 3点

 

【独り言】

上の口出しでも書いている通り、わたしは本作品の原作を原書で読んでいたく感動したので本作品がアカデミー賞作品賞を受賞したことを素直に喜ぶことができました。そして直ぐに発売されて図書館で借りることができたDVDを見てまずウンチまみれのシーンで引き、血を分けた兄の役の俳優の人相の悪さに全く関心を失いました。こういうことは「カストラート」でも経験しています。まず主人公のジャマルが育てられた環境は人身売買を生業にするヤクザの巣窟ではなく(だったら英語は話せないはず)、カトリックの神父さんの家なのです。この神父さんが実は同性愛者で、ジャマルのヒンヅー教徒の生みの親は夫婦喧嘩が絶えず神父様に相談を持ちかけたところ「子供をもうけなさい。」と言われたのでその通りにしたら夫婦仲はますます悪くなったので「どうしてくれる!」と言ってジャマルを教会に置き去りにし、そのせいで主人公はジャマル(ヒンヅー名)とトーマスというイギリスの名字にイスラム教徒の主張でモハメドというイスラムのミドル名を授けられます。まあ、ジャマルの大人になるまでの人生はすでに波乱万丈なのですが、特筆すべきは警察の拷問からジャマルを救った女性弁護士とヒンヅー教徒による焼き討ちから救い出して兄弟の契りを結んだ天使のように美しい演劇気狂いの男の子との出会いでしょう。ジャマルはクイズ番組から得た賞金でこの弟分を演劇学校に通わせることになります。クイズ番組に反映される経験の中で印象が深かったのはインド駐在で「ペルソナ・ノングラータ」ということで強制帰国させられるオーストラリアの外交官の話かな? とにかく本業が外交官の筆者ならではのエピソードでした。原作はもう一度読むつもりですが映画の方はもう見るつもりはありません。