かわまりの映画評と創作

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【映画ルーム(72) 戦場にかける橋 〜 移ろうものと永遠(とわ)のもの 10点】

【かわまりの映画ルーム(72) 戦場にかける橋  〜 移ろうものと永遠(とわ)のもの 10点】平均点:7.22 / 10点(Review 140人)  1957年【英・米】 上映時間:155分.   クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、独り言を除く部分の版権はjtnew.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。

 


【あらすじ】

1943年、ビルマとタイの国境近く、疫病、栄養失調、毒蛇などのジャングルの危険にさらされた日本軍のキャンプに数十名のイギリス兵捕虜が到着した。国境の河に橋をかけることを使命とし捕虜に建設労働をさせようとする日本軍の斉藤大佐がジュネーブ条約を盾に労働を頑なに拒むイギリス兵の代表ニコルソン大佐と駆け引きをする中、数人のアメリカ人捕虜がキャンプを脱走、そのうち一人が監視兵の銃撃を潜り抜けて脱出を果たす。一方、斉藤大佐は何が何でも期日までに橋を完成させようと策を練る。

 

【かわまりのレビュー】

イギリス兵の誇りの象徴、口笛で吹く「クワイ河マーチ」がこの映画で有名になりました。この作品に出演した早川雪舟さんは国際的な映画コンテストでノミネートされた日本人の第一号だそうです。でも、イギリス人将校ニコルソン大佐の協力なしではビルマの辺境地に橋を建設できないことを悟ったときの斎藤大佐の気持ちは男泣きするほどくやしいものなのかな・・・ニコルソン大佐の命令なしではイギリス兵は働かないのが当たり前だと私は思うのですが・・・。武士道の権化のような斎藤大佐がイギリス留学で得た国際性を次第に表わし、さらにニコルソン大佐が「平和になった時にはこの橋を作ったイギリス兵は現地の人に感謝される・・・。」と気持ちを軟化させてイギリス兵たちが追随していくくだりが実にいい。それにしてもアメリカ兵は憎らしい。大岡昇平なんか読む限り、アメリカ軍だけが東南アジア戦線で衣食に困らなかったらしい。なにせパール・ハーバーを別として、本土が全く戦禍にさらされていないわけだから・・・。日本兵ではなくアメリカ兵を残酷で近視眼的な悪役、あるいは「アホ」に描いたこの映画がアメリカのアカデミー賞を7部門で受賞するなんて、アメリカ人は懐が深いのか、それとも戦争が嫌になっていたのか、でなければやはり映画そのもの神通力のせいでしょう。

 

10 点の人のコメント

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=11&TITLE_NO=1112

9点の人のコメント

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=10&TITLE_NO=1112

8点(最頻出点)の人のコメント

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=9&TITLE_NO=1112

3点(最低点)の人のコメント

1. 名作だとは思いますが、正直言って最後まで見るのに骨が折りました。特に前半。大佐が捕虜をいたぶるシーンなど見ていてつらかったです。ナレーションもなく、淡々と進んでいくところに「大脱走」と似たような雰囲気を感じました。【ういろう】さんと同感です。【mhiro】さん [CS・衛星(字幕)] 3点

2. 過去の名作ということで興味津々で観たけど、駄目だったなぁ。作られた時期が時期なので日本の描写が偏見まみれなのは予想してたけど、あまりにも無能扱いしすぎだと思うし、捕虜に対する待遇も良すぎる。それに戦争の愚かさや狂気を伝えるだけだったら、やろうと思えば誰でもできる。問題は如何にそれを映画として娯楽としても面白く見せることが出来るか否かでしょう。私はこの作品を観て何を言いたいのかは確かに伝わってきた。でも、見た後に「いやー、面白い映画だったなぁ。」と言うことは出来なかった。【ういろう】さん 3点

 

 

【独り言】

 


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