かわまりの映画評と創作

読書ルームではノンフィクションと歴史小説を掲載

【映画ルーム(22) サウンド・オブ・ミュージック 〜 歌声はアルプスを越えて 10点】

【かわまりの映画ルーム(22)  サウンド・オブ・ミュージック  〜  歌声はアルプスを越えて  10点】平均点:8.51 / 10点(Review 393人)    1965年【米】 上映時間:175分.  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。 https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=936 

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、映画タイトルの次、"〜"のすぐ後ろのキャッチコピー、【独り言】と【参考】を除く部分の版権はjtnews.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。

 

【あらすじ】

1930年代のオーストリアでの物語。若い修道女マリアは修道院を出て、男やもめのトラップ大佐の7人の子供たちの家庭教師となる。子供たちを軍隊式にしつけようとする大佐とマリアは対立するが、音楽で子供たちの心をつかんだマリアは終には女男爵との結婚を考えていた大佐の心を覆し、名実ともに子供たちの母親となる。しかしヨーロッパを席巻しつつあったナチス・ドイツはマリアたちの幸福な家庭にも影を投げかける。暗い時代を背景https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=936に、アンドリュースが演じるマリアの歌声はあくまでも明るく、自由と生きる喜びを謳歌する。

 

【かわまりのレビュー】

《ネタバレ》 終わり近く、のど自慢大会のシーンでトラップ大佐が「エーデルワイス」をギターで弾き語りしながら思わず絶句してしまいますが、この歌はアルプスの麓に住むオーストリア人にとって、正に第二国歌のようです。「ドイチュラント・ユーバー・アレ(世界に冠たるドイツ)」を歌って第一次大戦を戦ったドイツに味方して敗北を喫し、広大だった国土を大幅に縮小させられたオーストリアでは「国破れて山河(どちらかというと山)あり。」みたいな感慨のある歌なのでしょう。この作品、全体的に明るくて戦争色は後半にならないと出てきませんが、巻頭に「1930年台の最後の年(つまり1939年)」という言葉書きが出てきます。原文(英語)に数字はありません。アジアでは1930年台の前半から日本軍が中国でドンパチやっていたので私たちにはピンとはきませんが、1939という数字は第二次世界大戦が始まった怨念の年を表していてヨーロッパ人にとっては見るもおぞましいのに違いありません。ドイツはこの前年にオーストリアを無血併合、言葉も習慣もほとんど同じ国と一緒になるのは一般人にはどうということはないのかもしれませんが、トラップ大佐のようにヒットラーが支配する国に併合されるのを快く思わなかったオーストリア人も多かったはずです。それにしても大佐はあの気位の高そうな貴婦人ではなくてマリアと結婚して正解でしたね。貴婦人が奥さんだったら子供を背負ってアルプスを越えてスイスに亡命なんてできず、ドイツ海軍に加わってイギリス軍に撃沈されていたかもしれませんでした。「西部戦線異常なし」はリアルな描写で、チャップリンの「独裁者」はギャグで、この作品は明るい歌声で戦争やナチスに対抗しているのです。

 

 

10点(最頻出点)の人のコメント(部分)

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=11&TITLE_NO=9368

8点の人のコメント(部分)

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=9&TITLE_NO=936

1点、2点、3点の人全員集合

1. 時間が長いし、話はつまらないしで、二重苦でした。【doctor T】さん [ブルーレイ(字幕)] 1点

2. 最初の30分ぐらいは面白かった。それ以降、特に終盤のテンポの悪さに辟易した。【理不尽みるく】さん [DVD(字幕)] 2点

3. 《ネタバレ》 特権階級の身勝手で都合よすぎる行動に不快感が上昇。
女の方は、修道女でありながら規律を守らず、男に恋をして勝手に飛び出す。
男の方は、軍隊式教育で子供を縛りつけ、若い後妻をもらってご満悦。
子供は合唱に駆り出され合掌。
最後は都合よく小さい子供を連れての山越え。
いかにも戦勝国アメリカが作りそうな、綺麗どこ取り自分だけ幸せ取りな内容で、表面的に歌と踊りで綺麗に着飾っただけの、真実の見えない、まさにおとぎ話。【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 2点

4. ミュージカル嫌いだし全体的に軽い雰囲気があってちょっとなあ。【本郷の文豪】さん 3点

5. ミュージカルは苦手なんですが、名曲揃いで最後まで見れました。ただ各シーンが長いわりに、ラストがあっさりしすぎているようにも感じました。【ゆきいち】さん 3点

6. どんなに過去の名作であろうと、時代に合ってなければただの凡作。
長いしつまらないし、ガキと一緒に浮かれて歌ってるのを見ていると、寒くてたまらない。
1960年台向けスイーツなんだと思います。
【シン*トー】さん [映画館(字幕)] 3点