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【映画ルーム(39) アルゴ 〜 実話を戯画化 8点】

【かわまりの映画ルーム(39)  アルゴ  〜  実話を戯画化 8点】平均点:7.19 / 10点(Review 136人)  2012年【米】 上映時間:120分 8点】. クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、独り言を除く部分の版権はjtnew.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。

 


【あらすじ】

1979年秋、親米の腐敗した王制を倒してイスラム政権を樹立したイラン民衆がエネルギーの矛先をアメリカ大使館に向けた。王制時代の極秘文書の処理に追われた大使館員の多くが館内に監禁されたが、カナダ大使公邸に逃げ込んだ6名の大使館員を救おうと米CIAは策を練る。首都テヘランからの脱出は空路しかなく、6人の身分を隠すためのビジネスや文化交流は途絶えていた。そこでCIA職員メンデスはハリウッドの著名映画人の名前を借り、架空のSF映画作品をプロデュースして6人をカナダ人映画製作者として出国させる賭けにいどむ。

 

【かわまりのレビュー】

はらはらさせられるサスペンスの表面の下に今でも存在するイラン・シーア派イスラム政権対する疑念・・・つまり公務員としてビザ発給などの業務に勤しむ罪のない人々を裁判などでその可否を公に対して問うこともなく四百日以上も監禁してしまうような社会、そういった極端な行動に出る民衆をコントロールできない政府は果たして国際社会で他国と対等に扱われるべき近代的な意味での法治国家なのかという疑問が起こるのをどうすることもできなかった。アメリカCIAの工作はカナダ大使館に身を寄せた6人の大使館員を救出するための緊急措置として取られたものだが、偽のカナダ旅券の発行をカナダ政府に要請するという通常ならば非合法な手段を取ることによってこのような非合法事態が起きた際の対策の在り方を明確に示唆している。アカデミー賞にノミネートされた音響・美術などが優れた他作品を抑えてある意味で地味なこの作品が作品賞に輝いた理由がわかるような気がする。

 

10点の人のコメント

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=11&TITLE_NO=20518

9点の人のコメント

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=10&TITLE_NO=20518

8点(最頻出点)の人のコメント (部分)

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=9&TITLE_NO=20518

0点、1点、2点の人のコメント

1. 何故このような状況になったのかという詳しい情報は隠した映画で、つまりは皆殺しに遭ってもおかしくないという事が伝わりませんでした。アカデミー作品賞なのは政治的なものでしょう。退屈で普通につまらなかったです。ベン・アフレックは私には合わないようです。
【DAIMETAL】さん [DVD(吹替)] 0点

2. なんで、こんなに高得点なのか?他のサイトも軒並み高評価。あえて言おう。俺の2時間を返して欲しい。今までに観た事のあるドラマや映画をくっつけただけ。全て予想ができたみえみえの展開。せめてアクション・スパイものでなく、人物像にあてようぜ。ナゼ説得されたかも意味不明。別の方が書かれているが、ホント某国の反日映画以上に低レベル&深い描写無し。アルゴくそ食らえ!!
お好み焼きは広島風】さん [CS・衛星(字幕)] 0点

3. 《ネタバレ》 これぞハリウッド。これぞアメリカバンザイ映画。いくら事実に基づいたものとはいえ、ここまで脚色してしまったら、中国が作った抗日映画と同じレベルです。そもそもアメリカ大使館員の人質はあの6名だけじゃなくもっと大勢いた。しかし誰1人殺されずに、のちに全員解放されています。つまり、あの6名が「ムチャ逃げ」する意味はまったくなかったのです。逃げなかった大使館員からは、6人の行動はどう映ったか?おそらく騒ぎを広げて、周りに迷惑をかけた自分勝手な6人と見えたでしょう。つまりこの事件のもう1つの側面は、あの6人が、ほかの大使館員を全員置き去りして勝手に逃げたということ、そしてCIAや外国のカナダまでもが、6人の尻拭いをしたということに尽きる。その事実をカモフラージュするために、イラン人は邪悪で捕まったら鬼のように食べられてしまうというイメージを観客に植え付けさせ、6人の異常行動を正当化しようとしていた。しかも映像がツタヤの発掘良品のように汚い、大スクリーンで観る必然性が感じられない、俳優は物真似重視、あげくのはてに意図的に作られた危機意識、白々しい緊張感、見事な曲解、これぞ正真正銘のクソ映画、クソ監督に乾杯。私も叫ばせてください。アルゴくそ食らえ。
【花守湖】さん [DVD(字幕)] 1点

4. 《ネタバレ》 <2月17日>去年10月の終わりから上映されていて、私は今年2月に入って観賞することができました。すごいロングランです。
英国オスカー作品賞と監督賞を取ったらしいです。
事実に基づいた作品らしいです。
時代はカーター政権(1979年)。この事実が発表されたのがクリントン政権の時代だというのですから、長い年月です。
製作者たちはすぐにでも映画化したかったことでしょう。
イランに封じ込められた人質を映画製作者たちと偽って脱出を試みようとするアイデアがテレビで放送されていた「最後の猿の惑星」というのは面白いです。
アメリカ大使館が襲われた時にシュレッダーにかけられた写真の破片を子供たちがパズルのように復旧させ、イラン側も人質を割り出そうとしているところは観ていてドキドキしました。
ですが、よくある「事実に基づいた~」という冒頭の宣伝は私には、もうどうでもいいんです。
事実かどうか、そんなことはどうであれ、私にとって映画とは娯楽が第一なんです。
この映画もそれがわかっているはず。
どういうわけか移動シーンだけでストーンズナンバーを流したりと、ちょっとチグハグしているんです。
フィクションでもいいんです。それだったら「24」のほうが全然ドキドキする映画なんじゃないかと思ってしまいました。
どうも心には残りそうにありません。
→<2月25日>アカデミー作品賞に選ばれてからの付け加え 。
→どうしてこんな作品が選ばれたのか考えました。
もう一つ有力候補だったのが「リンカーン」。
そう、アカデミー受賞はアメリカ人のためにあるからです。
この「アルゴ」はアメリカ万歳がテーマなんです。
もし、このレビューを拝読されている方が日本国籍でしたら感動なんかするはずがありません。
本作は相手側イランのことなんか何一つ正当な描写はしてないと思います。
シュレッダーにかけられた写真を複製している子供の気持ちになってください。
可愛そうなイラン人の立場を考えれば、この救出作戦がいかにクソかわかるはず。
今、新宿の映画館では一番大きなスクリーンで観ることができます。
どれだけ観客が入っているかネットで調べてみました。
ガラガラです。
私は初めて観賞した時は7点をつけましたが、まだ未見の人に切に「いろんな人に警告したい映画」として2点の評価に変えます。
レンタルで十分ですよ。

【クロエ】さん [映画館(字幕)] 2点

 

 

【独り言】

 


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