かわまりの映画評と創作

読書ルームではノンフィクションと歴史小説を掲載

【映画ルーム(87) 仮面の中のアリア 〜 音楽版スポ根もの 8点】

【かわまりの映画ルーム(87) 仮面の中のアリア 〜 音楽版スポ根もの 8点】平均点:6.00 / 10点(Review 3人)   1988年【ベルギー・仏】 上映時間:98分.  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。 https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=7333

 

この内容全ての著作権はかわまりに帰属し、独り言を除く部分の版権はjtnew.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。


【あらすじ】

体力に限界を感じた往年の名オペラ歌手ヨアキムは引退を発表し、同時に知り合いから紹介された18歳の女性ソフィーを預って同棲している女性ピアニストと協力しながら少女を一流のソプラノ歌手に育てあげるための特訓を開始する。やがてヨアキムはテノール歌手の素質を持つ若い男ジャンも自宅に引き取って猛烈な特訓を始める。ピアニストとソフィーがヨアキムを慕い、ジャンがソフィーを慕うという複雑な関係が四人の間に生じ初めた頃、若い二人の試練とデビューの時が近づく。

 

【レビューワー全員集合】

1.もうずいぶん長いこと見てないけど印象に残ってる作品。「カストラート」のジェラール・コルビオ監督。ど~せ高尚ぶった鼻持ちならない自己満足のための映画でしょうよ。そのとおりです。そういうレビューがこれから続くんでしょう。オペラ嫌いの人が見たらたぶん評価最低だろうな・・。気取りまくってるし。音楽を無視してもそこそこは面白いと思うんだけど・・無視したらあんまり面白さ残ってないか・・。まあ、「アマデウス」好きな人はぜひ見てください。しかし、主人公が「巨匠」というのはどうも・・演技下手だし・・嫌いじゃないけど。オペラの映画化されたのは結構見てるけど(それもあんまりたやすく見れないけど)、この手の映画もっと見たいなぁ・・。【しったか偽善者】さん 8点

2.私はこの映画をスポーツ根性ものとして見ました。しかも何度も・・・。大の音楽好きの私がですよ・・・。私の子供時代にはスポコンものはコミックやアニメではしょっちゅう見ましたが、映画でスポコンものにあまりお目にかからないのは、やはり一流のスポーツのパーフォーマンスを撮るのがむずかしいからではないでしょうか?でも映画や漫画のファンのみならず、私たちは一般的に試練に耐えたり競ったりする人間の姿に強く心を惹かれます。だから音楽やダンスなどをネタにしてスポコン(ミュジコン?)ものの映画をいっぱい作ってほしいと思います。この映画では映像はきれいだし、主人公にしごかれる女の子は可愛いし、音楽はいいし、文句なしです。ストーリーに関して言えば・・・やはりスポコンものです。これ以上は何も言えません。もっともっとスポコンに徹していれば(二人の若い歌手の苦闘と成長を詳しく描写していれば)満点をつけるところでした。題名は原題そのままの「音楽教師」にしてほしかったです。こんなタイトルじゃあまり魅力を感じません。【かわまり】さん 8点

3.完全なる音楽芸術映画で、よほどオペラに造詣がない限り、その世界に入っていくのは難しい作品。ただし、この手の音楽芸術映画は、尺がむやみに長いのが多い中、本作はコンパクトにまとめており、その点は好感が持てる。【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 2点

 

【独り言】

ソフィージャンがデビューを飾った時に歌ったのはヴェルディの「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」のアリアです。ヒロインの椿姫は19世紀には不治の病だった結核に侵されていたという設定なのですが、息継ぎとかが難しいアリアも含めて全編ヒロイン役の女性歌手にとって非常な体力勝負だし、若くてスリムな体と体力を備えた女性歌手には芸術的表現が。。。ということミラノのスカラ座で満足に歌えたのはマリア・カラスだけという話を聞いたことがあります。いえ、満足に歌った女性歌手は複数いたことはいたのだけれど太った中年のオバチャちゃんだったりして観客の目を楽しませてはくれなかったそうです。