かわまりの映画評と創作

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【映画ルーム(178) シビル・アクション 〜 民事法廷は勝負の世界…5点】

【映画ルーム(178) シビル・アクション 〜 民事法廷は勝負の世界…5点】  平均点:6.33 / 10点(Review 45人)   1998年【米】 上映時間:115分  

 

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【かわまりのレビュー】

サクセス・ストーリーの「エリン・ブロコビッチ」とは似ても似つかない暗い映画でした。裁判過程が詳しく描かれ、そこに裁判における戦士である弁護士の本音を垣間見ることができたのが良かったです。ジョン・トラボルタは人も羨む順風満帆の人生を歩んでいるように見えますが、その彼が主演を引き受けたのは単なるエンターテイナーを超えた芸の道を追求するためでしょうか、だったら心から拍手したいです。映画にもなった小説「ペーパーチェイス」の中である法律学生が「商法でAを取らなければ僕らの未来はない。」といった意味のことを言っていました。アメリカでは読んだ契約書のページ数に応じて課金する商法専門弁護士や相談料で食べている家族法の弁護士、事件毎に請負料金を取る被告側専門弁護士などは勝訴の場合以外一切無料の損害賠償請求専門の弁護士を見下す傾向があるようですが、職業に貴賎がないのと同様、弁護士間に貴賎があるはずはありません。トラボルタ扮する弁護士がラジオ出演のシーンで語っているように「人の痛みを自分の痛みとして感じる」ことができる、つまり適性のある弁護士が損害賠償の分野を選ぶのですね。日本も法治国家の名に恥じないよう、複雑な社会に対応して弁護士も法律知識以外の適正や関心で得意分野を持つようにしてもらいたいものです。でもまちがっても「商法の成績が悪かったから・・・。」なんて理由でその他の分野を選んだりしてほしくないです。

 

10 点をつけた方のコメント

1.これぞ、「己を殺して仁を為す」日本武士道の真髄なり。【マカボイ】さん 10点

2.トラボルタかっこいい。何回観ても飽きない映画です。・・・10点に変更します。本当におもしろい映画です。出演者すべてが極上の演技をしています。DVD買ってよかった。【やっぱトラボルタでしょう】さん 10点

3.トラヴォルタとジュリア・ロバーツがタッグを組んだら最強かも。【桃子】さん 10点

 

↑ やはり作品ではなく主演のジョン・トラヴォルタを押しているような…。 ↓ 「エリン・ブロコビッチ」と同じく極端な低得点(0点と1点)は付けにくい作品のようです。

1.ありきたり。くだらん。【ナガタロックⅢ】さん 2点2.物語り好きな自分だが、久しぶりにストーリーそのものがつまらんと思った。決して駄作だとは言わないが、実話の法廷モノとしてはあまりにもパワーが無い。小作品として楽しめばいいのかもしれないが、そうだとしたらトラボルタは合わない。【ぷりんぐるしゅ】さん 3点

2.《ネタバレ》 ○途中までの展開には満足だが、なぜ肝心の最後の部分をナレーションで済ませたのか。ベタではあるが、そこでトラヴォルタの演説が聞けるものと思っていたのに残念。キャストなどには非常に満足していたのにもったいなすぎる。【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 3点
3.「エリン・ブロコビッチ」とそっくりではないですか。映画としては地味でイマイチだと思いました。【るいるい】さん 3点


【独り言】

3番と一部2番の方のコメントに関わるのですが、やっぱりトラヴォルタの最終弁論を聞いてみたかったですよね。でも結局、実話に基づいた脚本で彼が弁護した原告集団側が負けるわけですから…。この訴訟の原告側を引き受けたお陰でトラヴォルタが演じる弁護士は事務所を抵当に取られるとかでズタボロになってしまうのですよね。「負けて悔い無し」みたいな結末ですが、「エリン・ブロコビッチ」ほどではなくてもトラヴォルタが演じる弁護士になんらかの花を持たせた結末にしておけばよかったと返す返すも残念です。