かわまりの映画評と創作

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【映画ルーム(64) ウェディング・バンケット 〜 こんなライフスタイルもいいのでは? 8点】

【かわまりの映画ルーム(64) ウェディング・バンケット  〜  こんなライフスタイルもいいのでは? 8点】平均点:7.40 / 10点(Review 20人)   1993年【米・台湾】 上映時間:106分  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。  https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=2733

 

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【あらすじ】

台湾出身でアメリカの永住権を持つウェイトン(偉東)とアメリカ人サイモンは仲のいいゲイのカップル。しかし偉東の将来を心配する台湾の両親は遠隔地から縁談を持ち込もうとする。両親の尽力に辟易している偉東にサイモンが偽装結婚を提案する。相手は偉東が所有する安アパートの住人ウェイウェイ。彼女はニューヨークで画家として成功するために観光ビザで上海からアメリカに来て不法滞在している。偽装結婚をすれば、偉東の両親を安心させることができウェイウェイは永住権を手に入れることができ節税にもなるというのだが・・・。

 

【かわまりのレビュー】

《ネタバレ》 小気味よいストーリーの展開、ユーモラスで笑いを誘う演出と演技、そして心に響くラスト・シーンなどにもかかわらず、この作品のレビューはむずかしいんですよね。でもこの作品は傑作や名作ではないとしても間違いなく佳作や秀作と呼べると思います。評価がむずかしいのは主人公ウェイトンの親と相棒のサイモンの両方を思いやる気持ちと全世界的に見て小数派に属するゲイとしての主人公のライフスタイルのせいかもしれません。事情を承知した相手に永住権を与えるというギブ・アンド・テイクでも迷ってしまう主人公は真面目そのものです。「おい、オカマ野郎!」なんて揶揄を受けながら誠意と確信をもって自分の生き方を選んでいるのに、子孫繁栄を願う親の思惑には簡単に揺さぶられてしまうんですよね。アメリカ(あるいはニューヨーク)だからこそ許される独自の生活の均衡状態からグローバルな文化と矛盾しないもう一つの生活形態への移行が描かれた・・・なんて大上段に構えるとこの映画の面白みは半減してしまうけれど・・・。それにしても女はゲイに惚れても歩があります。ウェイウェイはニューヨークで画家として成功するための着実な一歩を踏み出したようです。画家として成功し、「ねえサイモン、この次の出張展覧会までに洗濯物を全部済ませてコートをクリーニングに出しておいて。」なんて叫んでいる未来の姿が目に見えるよう・・・。

 

10点の人のレビュー

私は個人的に、「グリーンディズティニー」以外のアンリー作品ははずれなしと思っているので、グリーン~をみてがっかりした人も、この作品や推手や、恋人たちの食卓はぜひ見て欲しいと思います。みないと絶対そんする!!父ランシャンが、息子がゲイであることをしっても、孫の顔をみるために知らぬふりをつづけて皿を洗う背中。中絶に向かう息子夫婦が出かけようとするのをとめようと、かばんをとりに転びながら戻る母の姿。偽装嫁を責めることなく、「あなたと赤ちゃんがほしい」と泣いてすがる母の姿。こうした何気ないがにじみ出る親の愛情を見て、それを「周囲」の雑音と切り捨てることができようか?もう後半、涙、涙でしたよ。アンリー万歳!!【ちずぺ】さん 10点

8点(最頻出点)の人のレビュー

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=9&TITLE_NO=2733

2点(最低点)の人のレビュー

中国式の披露宴とはこういうものーという文化紹介映画としての価値しかなかったような...。なんといっても、主人公たちに全く魅力が感じられないのが私にとっては致命的でした(;_;)...【菜の花】さん 2点

 

【独り言】

同性愛者の知り合いの男性が「こんなのありえね〜〜!」と言っていました。わたしもそう思いますと言うことはできません。わたしは女性なので男性の同性愛についてはわかりません。わかる必要もありません。ただこんなのは無い方がいいというのはもっと広い観点から立った願望ではあります。大体、同性愛者生まれついて生物的に子供を作れない人が異性愛者の異性に誘惑されてその異性との間に子供を作ってしまうなんて興ざめじゃないですか? で、わたしの、このお話を肯定したくない想いというのはやはり子作りに関してです。最近、大人になり切れてない夫婦による子供の虐待が多すぎやしませんか? 精神的に大人になり切れなくても体は大人でできてしまったものは仕方がないから育てているという夫婦って多くありませんか? あるいは妻としての役割を果たせないので離婚して子供の親権を獲得したもののやはり親にもなり切れずにホストクラブにうつつを抜かして子供を餓死させてしまったという痛ましい話もありました。目下、親から親権を剥奪すべきだとかその基準だとかが議論の俎上に上がっていますが、それなんです。同性愛者のカップルが考え、悩んだ末に子供を養子に迎える決心をしたなら素晴らしい家庭ができるのではないかと思われるのです。いろんな事情で精神的に親になり切れない夫婦が子供を作ってしまうのは子供ができてしまった後ではもう後戻りできません。また同性しか好きになれない人が同性婚をするのは認められるようになっていくでしょう。また非婚者も増えていくでしょう。大人のライフスタイルは自由でいいではないですか。ただ子供だけは未来永劫保護されながら成長していくもの。。。それは未来永劫変わらないはずです。

 


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