かわまりの映画評と創作

読書ルームではノンフィクションと歴史小説を掲載

【映画ルーム(148) マルサの女 〜 社会派監督に合掌 8点】

【かわまりの映画ルーム(148) マルサの女 〜 社会派監督に合掌 8点】 平均点:7.79 / 10点(Review 113人)   1987年【日】 上映時間:127分

クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。 https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=1446

 

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、映画タイトルの次、"〜"のすぐ後ろのキャッチコピー、【独り言】と【参考】を除く部分の版権はjtnews.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。

 

【あらすじ】

おかっぱ頭とそばかすがトレード・マークの板倉亮子(宮本信子)はベテラン税務署職員。亮子の手にかかれば姑息な所得隠しをするパチンコ店経営者(伊東四郎)などは真っ青になる。そんな亮子が目をつけたのはラブ・ホテル経営・・・所得隠しの手口を探ろうと亮子は経営者(山崎努)宅を訪ねるが、そこは相手もその道の達人・・・頭を抱える最中に国税庁査察部の検査官、通称マルサへの亮子の抜擢が決まる。税金調査に関する警察権を取得した亮子と査察部の猛者達はどのようにしてラブ・ホテルの所得隠しの謎に迫るのか ・・・。

 

【かわまりのレビュー】

あらすじを書いた後で直ぐにレビューを書かず、そのうち「こんな名作、みんなが寄ってたかって書くからいい!」というズボラ根性を発揮し、そのうち書いたような気になっていました。この作品、印鑑文化とか銀行通帳といった日本ならではの慣習をキーとして描写しながらも世界中、特にアメリカで大受けしたのはやはりタックスポリスと脱税者というお金だけを巡るせめぎ合いを描いたおそらく世界初の作品だったからでしょう。山崎努が演じる守銭奴の権藤は「奥さんに本当に惚れていたら離婚して慰謝料をガバっとやってから再婚するんだぜ。慰謝料は非課税だからな。」と合法手段での節税からきわどい手段までを駆使するなぜか憎めない男ですし、彼に相対するマルサの女も「再婚する前に奥さんが逃げちゃうかもね。」というなかなかのキレ者でこの二人のやりとりが最後まで息をつかせませんでした。

 

10 点の人のレビュー

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=11&TITLE_NO=1446

秀逸なレビュー

1.  《ネタバレ》 伊丹十三作品の中ではタンポポと悩みましたが、WOWOWハイビジョン初放送でこちらのほうが先だったので満点つけてしまいました。あまりにも放送が待ち遠しくてD-VHSに録画しながらも、同時に生で見てしまいましたが、4:3放送だったのには唖然としました。画質はアップコンバートでなく、ハイビジョンだったのでまぁ許しますが・・・。と、映画の本来の話からちょっとそれてしまいましたね。
良いですね。もう20年近く前の作品とは思えません。キャスト(顔や人気だけの俳優)に頼らず、ここまでテンポの良い作品に仕上げているのが素晴らしいです。税金用語が分からない人への用語説明を俳優の会話の中に入れてみたり、脱税された陰湿な方法などを紹介してみたりと無駄なカット・シーンは一切ありません。どうしても小道具では年代車・黒電話・ショルダータイプ携帯電話・パチンコ台・各キャストが若いなど”歴史的古さ”は感じますが、カメラ割りとか音楽、編集技術など映画としての古さは全然感じないどころか、未だに追いつけていない邦画が多いことは、伊丹監督にはまだまだ作品を作って欲しかったなぁ~と感じます。
私はWOWOWの営業ではありませんが、伊丹十三監督作品が12月末まで随時放映されますので、皆で見ましょう!!(笑)【お好み焼きは広島風】さん [CS・衛星(字幕)] 10点

2.  《ネタバレ》 抜群に面白い!もぅTVでは何回も観てるけど今回大真面目に鑑賞致しました。エンターテイメントに振った娯楽性もさることながら、マルサと脱税をテーマにした着眼点が素晴らしい! そして的確な配役・効果的な音楽、、、間違いなく伊丹監督の代表作ですね。何度見ても面白い映画というのは、こういうものを言うのでしょう。もうホント素晴らしい!文句なしに満点でゴザイマス【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 10点

 

低い点数の人のレビューは最低点の4点の人のみ

テーマの珍しさはいいのですが、マルサ側が国家権力だけあって強いので
ドラマや緊迫感は弱い気がしました。私が子供なだけかもしれません。【Donatello】さん [DVD(邦画)] 4点(2017-07-25 11:06:47)