【映画ルーム(12) オーケストラ・リハーサル 〜 寓話の世界を視覚化したら 8点】
【かわまりの映画ルーム(12) オーケストラ・リハーサル 〜 寓話の世界を視覚化したら 8点】平均点 6.67/10点 1978年【伊・西独】 上映時間:72分 クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。 https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=1573
このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、映画タイトルの次、"〜"のすぐ後ろのキャッチコピー、【独り言】と【参考】を除く部分の版権はjtnews.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。
【あらすじ】
13世紀に建てられた鬼気迫る教会の内部に自己主張盛んな芸術家達・・・オーケストラの団員・・・が集まり、リハーサルが開始される。古い建物内部でネズミが出る騒動は序の口で、そのうちオーケストラの団員は指揮者の態度が独裁的で気に食わないと騒ぎ出す。オーケストラ演奏を民主的に行う方法はあるのか・・・。実社会に存在する伝統や権威、協調の必要性と自由や個性の尊重との対立矛盾を閉鎖された環境内部にオーケストラという小宇宙を設定して寓意的に描く。リハーサルで演奏されるクラシック風音楽はニーノ・ロータの作曲。
【かわまりのレビュー】
《ネタバレ》 「道」などの大作で知られるフェリーニ監督のアレゴリカル(寓話的)な小品佳作として見る価値が大いにあります。冒頭の教会内部の案内と団員の自己陶酔的な自己紹介(「私はこの楽器に選ばれた。」なんていうのもいる。)で「寓話モード」に頭がマインド・コントロールされてしまいます。(注:過激な言葉ですが巨匠といわれる監督が共通して用いる手法でエンドロールと共に解けるので人体や精神生活に悪影響はありません。)もし違った結末になるのだったらその過程はどのようなものかと想像してみるに・・・まず途中で役割を放棄してグランド・ピアノの下でうじゃじゃけていたピアニストの姉ちゃんがすっくと起き上がってショパンの革命のエチュード(英雄ポロネーズもいいな)を弾き始め、バイオリニストがチャイコのカデンツァを弾き始め、チェリストがバッハの無伴奏組曲を弾き始め、ソロ演奏のレパートリーがない団員は拳を振り上げてビートルズの「レボルーション」を歌う。そうこうするうちに、団員間で銃撃戦が始まって誰がレーニンか毛沢東か、はたまたカストロか金日成かが決定される・・・あれ、結末はやはり同じだ・・・
4点から8点の人のコメント
https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=1573
【独り言】