かわまりの映画評と創作

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【映画ルーム(94) 真夏の夜の夢 (1999) 〜 永遠のシェイクスピア 8点】

【かわまりの映画ルーム(94) 真夏の夜の夢 (1999) 〜 永遠のシェイクレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。クスピア 8点】平均点:4.82 / 10点(Review 17人)  1999年【伊・英・米】 上映時間:121分  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。 https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=2065

 

この内容全ての著作権はかわまりに帰属し、独り言を除く部分の版権はjtnew.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。


【あらすじ】

19世紀後半のイタリア、名門の娘ハーミアは大公が決めたデミトリアスとの結婚を嫌って恋人ライサンダーと駆け落ちする。ハーミアを真剣に恋するデミトリアスはその後を追い、デミトリアスに恋するヘレナがその後を追う。それを見た妖精の王様は魔法を使って四人をハッピーエンドにするように下僕のパックに命じる。ところがパックが魔法をかける相手を間違え、四人はパニックに・・・。さらに王様が喧嘩中の妖精の女王を困らせるために同じ魔法を使ったために妖精の世界まで大騒ぎに・・・。シェークスピア原作のファンタジー

 

【かわまりのコメント】

《ネタバレ》 ストーリーを原作ではなくてチャールズ・ラムが書き直したバージョンで読んでいる人でないとわかりづらいかもしれません。四人の恋人たちが夜の沼地で泥試合をし、翌朝目が覚めたら全員真っ裸で妖精が洗ってアイロンまでかけた服がたたんで横に置いてあるシーンがいかにも現代的で良かったです。ミシェル・ファイファーは以前アカデミー作品賞を受賞した「羊たちの沈黙」の主演獲得でジョディー・フォスターと競ったそうですが、ファイファーはラブ・コメディーに特化させたほうがいいという配慮でフォスターが選ばれたとのこと。この作品での妖精の女王は正に当たり役です。ヘレナ役がコミカルでよかったし最後は結婚式(ここでは専制的な大公とその婚約者を含めた三組のカップルによる観劇と妖精の王と女王の和解)というコメディーの伝統的パターンを守っているのもちょっと冗長だったけれど良かったです。妖精パックは本の挿絵ではいたずらっぽい少年になっていたのですが、ここでは老練な下僕という感じで、パックのセリフに良く耳をすませれば少年には発言できないような人生に対する洞察などが聞こえるのかもしれません。 (閑話休題英語圏の高校生向けに古典を解説しているサイト(http://www.cliffsnotes.com/WileyCDA/LitNote/id-78,pageNum-56.html)はこの作品をけちょんけちょんにけなしていました。この作品中の妖精たちは宴会気違いでしかないし、ミシェル・プファイファーにシェークスピアを理解してその役柄の雰囲気を演じる実力があるとは思えない。原作では尊大な君主として描かれている大公はただのくたびれたおっさんになっている、パックが中年のおっさんなのも変だ、等々・・・。私は結構楽しんだんですが、シェークスピアの戯曲がいろんな空想を喚起するせいか、演出によっては「こんなのあるかよ!」という人もぞろぞろ出てくるようです。キャストを変えてまた、映画化してほしいです。

 

8点(最高点)をつけたのはわたしだけです。

7点の人のコメント

1. 18世紀のイタリアが舞台という設定だったが,原作のイメージを損なうことなく,軽快なテンポでストーリーが進行していった。序章のメンデルスゾーンの音楽も効果的で楽しい幕開けを期待させた。しかし,後半のあの踊りの場面は,すっかりストーリーから遊離してしまった感じで竜頭蛇尾になってしまった。【koshi】さん 7点
2. 色々と納得のいかない点もあるけれど、それをも含めて面白かった。妖精や魔法のつくりが安っぽくてナイス。最後の芝居も笑えるのでグッド。【山岳蘭人】さん 7点

3. キャスティングとラストシーンがいい。また幻想的な世界がうまく作れてると思います。【アオイ】さん 7点

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