かわまりの映画評と創作

読書ルームではノンフィクションと歴史小説を掲載

【映画ルーム(13) リチャード三世(1995) 〜 永遠のシェイクスピア 8点】

【かわまりの映画ルーム(13)  リチャード三世(1995)  〜   永遠のシェイクスピア  8点】平均点:8.20 / 10点(Review 5人)   1995年【英・米】 上映時間:104分  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。   https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=373

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、映画タイトルの次、"〜"のすぐ後ろのキャッチコピー、【独り言】と【参考】を除く部分の版権はjtnews.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。

 

【あらすじ】

ランカスター家によるイギリス支配からプランタジネット(ヨーク)家に王位を奪還したのはヨーク家当代の三男、せむしで醜男のリチャードだった。リチャードの野望は王位奪還のたて役者としての名誉にとどまらず、ランカスター王朝の皇太子の未亡人を抱きこみ、次兄を殺害し、病弱な兄王を憤死させ、気の強いその妃の親族を殺害して妃を孤立させ、王子たちを幽閉し、終には皇太子の若さを理由に王位に就く。薔薇戦争時代の最後の王にして英国史上唯一戦死を遂げた国王リチャード三世の半生を風雲たちこめる1930年代に移し替えて描く。

 

【かわまりのレビュー】

《ネタバレ》 1930年代のラジオから聞こえてきそうなBGM、そのころの軍服、ファッションやメイク、クラシックカーや汽車などに魅了されっぱなしでした。2度目に鑑賞した時、古本屋で入手した原書を片手に原作と比べながら見ようと思ったのですが、絢爛たる画面のせいで途中で挫折しました。かなり省略している感じですが、リチャードとの決戦を前にしてのリッチモンド伯ヘンリー・チュダーと亡きエドワード四世の王女のどさくさの婚礼とベッドシーンは創作のようです。この二つのシーンと前後のカメラや構成がとてもうまいのです。醜いおっさんのリチャードを見慣れてきた鑑賞者に、(王女のうれしそうな顔は映りますが)どうせこっちもたいしたことはないだろうと思わせておいて後でヌードまで奮発、原作での政争の犠牲者の幽霊が出るシーンはリチャードの悪夢に換えて、大胆不敵な童顔のリッチモンド伯と王女の決戦前のロミジュリにも劣らない甘いベッドシーンと対比させ、そしてそのリッチモンド伯とリチャードのチェイスと一騎打ちと最後まで飽きさせませんでした。婚礼とベッドシーンにこだわりたいのは、ヨーク家の女性との結婚によってランカスター派のリッチモンド伯ヘンリー・チュダーが戦乱に飽きた民心をつかみ、次のチュダー朝創設の契機となったからなのです。どの俳優さんの演技も非のうちどころろがないのですが、あえて素敵なファッションで登場した女優陣を褒めておきます。「弱きもの汝の名は女なり。」を地でいった前王朝の皇太子未亡人アンはとてもきれいで哀れでしたが、政争渦巻く薔薇戦争の顛末において、次男クラレンスを殺した三男リチャードをヒキガエル呼ばわりして見捨てた母のヨーク公爵未亡人、二人の息子が生死不明ながら、唯一手元に残された娘を本来は敵方だったランカスター朝の末裔リッチモンド伯と結婚させて平和への切り札にしたエドワード四世の未亡人エリザベスの二人の賢く強い女がいなかったら次王朝への道は開かれなかったのです。 でも、王位継承のもめごとで近代戦の戦車が稼動されたことってあったっけ・・・(マイナス1点要因)。

 

 

6点、8点、9点の人のコメント

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=373

 

【独り言】

 

💓💓【類似の作品】💓💓

リチャード三世(1955)

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=11017

 

ヘンリー五世

 

1000日のアン

 

エリザベス

 

英国万歳

 

国王のスピーチ