かわまりの映画評と創作

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【映画ルーム(174) 菊豆  〜  因習という名の化け物 7点】

【映画ルーム(174) 菊豆  〜  因習という名の化け物 7点】 平均点:6.48 / 10点(Review 23人)  1990年【日・中】 上映時間:95分  

クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。 https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?SELECT=23470&TITLE_NO=3305#HIT

 

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、映画タイトルの次、"〜"のすぐ後ろのキャッチコピー、【独り言】と【参考】を除く部分の版権はjtnews.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。

 

【あらすじ】

「跡継ぎ息子を産め!」といっては妻を虐待する不能で子供のない老人の三番目の妻となった菊豆(コン・リー)は自分の身を守るために別の男の子供を生もうと決意する。その男とは同じ家の中で奴隷同様にこき使われている老人の甥だった。菊豆が男の子を産むと親類縁者は老人の跡継ぎ誕生として盛大に祝福するが、それは真実を知っている老人の、甥と菊豆に対する醜い嫉妬と争いの始まりだった。そして男の子はすくすくと育っていく。1991年アカデミー賞外国映画部門受賞作

 

【かわまりのレビュー】

染物屋が舞台になっているだけあって、色彩がすばらしい。それからコン・リーの演技もよかったです。「跡継ぎ息子を産め!」といって妻を虐待する子供のない老人(こんなふうにして子供ができるわけないでしょう)に耐えかねて主人公は「自分の身を守るためにはどうしても子供を生まねば・・・。」と決意しますが、封建的な中国社会に特有かもしれない家(それに加えて自分の身)を守り、跡継ぎを確保しようという意図がポルノまがいのストーリーとシーンにつながっていくのにはぞっとさせられました。この映画、決してポルノ映画ではないけれど、中国で上演禁止になったというのもわかります。後半、子供ができてからはもっと怖い。「中国人よ、家の亡霊に取り付かれるのはやめろ・・・。」という作者の叫びが聞こえるようで、何事もいきすぎると変態じみていくのかと感じました。美しい映像が重苦しいストーリーをなんとか救っています。

 

高得点(9点と8点)をつけた方のコメント

1. 酔わされた。 光に色に、コン・リーに! あぁ、たまらん!!【るーす】さん 9点

2. テーマ的にも色彩設計的にも翌年の「紅夢」と同系の作品ですけど、洗練され過ぎてた「紅夢」より、泥臭さの残るこちらの方が私は遥かに楽しめました。封建的な因習の残る時代、鬼の様な老主人に虐げられる若妻と甥(気の強そうなコン・リーが猿ぐつわを咬まされた上、鞍を乗っけられて責め苛まれる姿には、かなりムラムラくるものがある)。しかしコン・リーがただ虐められてる筈はないと思ってたら、案の定、徐々に本性を表していく。甥をたらし込んで子供を設け、主人の体の自由が利かなくなれば、陰湿に復讐し始める。しかし、親の因果は子に報いるのです(この息子はまるでダミアン)。例によって極彩色の反物で彩られた芸術映画風ながら、これは人間のダーク・サイドばかりを描いた極上スリラーです、8点献上。【sayzin】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-27 00:01:21)
3.チャンイーモウの優れた色彩感覚光ってます。風にたなびく反物、滴る雫、ガッタンゴットンと動く染色の機械?染物屋は一見鮮やかな色彩に彩られているが見えない闇の中で封建的な家父長制と厳しい折檻と許されざる愛。禁断の愛の行き着く先は因果応報、これが宿命であるとするならば悲しすぎる結末。【亜流派 十五郎】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-03 18:20:54)
4. 死者を弔う儀式は見もの。  チャン・イーモウは外国の評価の高い監督だが中国では評判が悪い。その理由は中国の悪い部分を見せているからと言われる。しかし彼は本当に中国を愛しているからこそすべてを映し出そうしている、【花守湖】さん 8点(2003-11-21 00:39:44)
5. チャン・イーモウ監督の「紅いコーリャン」を観た時ほどの感動はなかったにしろ、これはいい作品だと思いました。独特の色遣いの映像と言い、コン・リーの匂い立つような美しさと言い。たとえ、結末が救いようのない悲劇だとしても・・・。【ネジマキ】さん 8点

 

【かわまりの独り言】

チャン・イーモー監督の色彩美を高く評価する方でないと高得点はつけないです。色彩美に加えて次作の「紅夢」にも共通する中国社会、特に家族制度の非情を鋭くえぐった作品です。「紅いコーリャン」はあまり好きになれませんでした。ついでに、2点、3点、4点をつけた人が皆無の中で0点をつけた方のコメントは次の通りです。

 

登場人物に好感が持てない。中国だろうが、どこの国だろうが、この手の「人間愛」には魅力を感じない。【sirou92】さん 0点

 

【独り言の続き】

まあいいんですが、この作品が描こうとしているのは人間愛ではなくそれとは真逆のものだと思います。強烈な印象を与えるゴウツクばりの老人は男子の後継を得て家名を残すことばかりが念頭にあってかなりイカれているし、薄給で奴隷同然にこき使っている甥に対して「おまえは金がないから子孫を残せネーだろ!」みたいな変な優越感を持っているし、コン・リーが演じる菊豆は(言ってみれば追い詰められたこの人だけが少しはまとも???)保身と情欲の両方が動機で甥に擦りよる……「オマエさん方、三人三様でイカれてるよ。」と言いたくもなります。みんなが自然にしていればいい子を授かってその子が愛情深く育てられれば頼り甲斐のある跡取りになるんじゃないの? でも老人に関しては遅すぎです。

【映画ルーム(173) マルサの女(再)  〜 社会派監督に合掌 8点】

【かわまりの映画ルーム(173)   マルサの女(再) 〜 社会派監督に合掌 8点】 平均点:7.79 / 10点(Review 113人)   1987年【日】 上映時間:127分

クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。 https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=1446

 

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【あらすじ】

おかっぱ頭とそばかすがトレード・マークの板倉亮子(宮本信子)はベテラン税務署職員。亮子の手にかかれば姑息な所得隠しをするパチンコ店経営者(伊東四郎)などは真っ青になる。そんな亮子が目をつけたのはラブ・ホテル経営・・・所得隠しの手口を探ろうと亮子は経営者(山崎努)宅を訪ねるが、そこは相手もその道の達人・・・頭を抱える最中に国税庁査察部の検査官、通称マルサへの亮子の抜擢が決まる。税金調査に関する警察権を取得した亮子と査察部の猛者達はどのようにしてラブ・ホテルの所得隠しの謎に迫るのか ・・・。

 

【今回のハイライト(YouTubeから特別出演)】

元財務官僚でつい最近まで内閣参与(タダみたいな報酬で内閣に助言する官僚OBや学識経験者)の高橋洋一さんが若きキャリア官僚として地方の税務署(国税)に出向した時の思い出を語ります。→  https://youtu.be/EEv3Wm_AQ74

 

【かわまりのレビュー】

あらすじを書いた後で直ぐにレビューを書かず、そのうち「こんな名作、みんなが寄ってたかって書くからいい!」というズボラ根性を発揮し、そのうち書いたような気になっていました。この作品、印鑑文化とか銀行通帳といった日本ならではの慣習をキーとして描写しながらも世界中、特にアメリカで大受けしたのはやはりタックスポリスと脱税者というお金だけを巡るせめぎ合いを描いたおそらく世界初の作品だったからでしょう。山崎努が演じる守銭奴の権藤は「奥さんに本当に惚れていたら離婚して慰謝料をガバっとやってから再婚するんだぜ。慰謝料は非課税だからな。」と合法手段での節税からきわどい手段までを駆使するなぜか憎めない男ですし、彼に相対するマルサの女も「再婚する前に奥さんが逃げちゃうかもね。」というなかなかのキレ者でこの二人のやりとりが最後まで息をつかせませんでした。

 

10 点の人のレビュー

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=11&TITLE_NO=1446

秀逸なレビュー

1.  《ネタバレ》 伊丹十三作品の中ではタンポポと悩みましたが、WOWOWハイビジョン初放送でこちらのほうが先だったので満点つけてしまいました。あまりにも放送が待ち遠しくてD-VHSに録画しながらも、同時に生で見てしまいましたが、4:3放送だったのには唖然としました。画質はアップコンバートでなく、ハイビジョンだったのでまぁ許しますが・・・。と、映画の本来の話からちょっとそれてしまいましたね。
良いですね。もう20年近く前の作品とは思えません。キャスト(顔や人気だけの俳優)に頼らず、ここまでテンポの良い作品に仕上げているのが素晴らしいです。税金用語が分からない人への用語説明を俳優の会話の中に入れてみたり、脱税された陰湿な方法などを紹介してみたりと無駄なカット・シーンは一切ありません。どうしても小道具では年代車・黒電話・ショルダータイプ携帯電話・パチンコ台・各キャストが若いなど”歴史的古さ”は感じますが、カメラ割りとか音楽、編集技術など映画としての古さは全然感じないどころか、未だに追いつけていない邦画が多いことは、伊丹監督にはまだまだ作品を作って欲しかったなぁ~と感じます。
私はWOWOWの営業ではありませんが、伊丹十三監督作品が12月末まで随時放映されますので、皆で見ましょう!!(笑)【お好み焼きは広島風】さん [CS・衛星(字幕)] 10点

2.  《ネタバレ》 抜群に面白い!もぅTVでは何回も観てるけど今回大真面目に鑑賞致しました。エンターテイメントに振った娯楽性もさることながら、マルサと脱税をテーマにした着眼点が素晴らしい! そして的確な配役・効果的な音楽、、、間違いなく伊丹監督の代表作ですね。何度見ても面白い映画というのは、こういうものを言うのでしょう。もうホント素晴らしい!文句なしに満点でゴザイマス【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 10点

 

低い点数の人のレビューは最低点の4点の人のみ

テーマの珍しさはいいのですが、マルサ側が国家権力だけあって強いのでドラマや緊迫感は弱い気がしました。私が子供なだけかもしれません。【Donatello】さん [DVD(邦画)] 4点(2017-07-25 11:06:47)

 

【独り言】

日本人とアメリカ人の共通点は…わたしが思うに自分が所属した組織で、自分に与えられた仕事に正に一生懸命になってしまうところだと思います。だから世界の供給源の9割だかを占める純度99.9999999999%(いわゆるトゥエルヴナイン)の半導体洗浄用のフッ化水素やら世界の7割(?)かそれ以上を占める内視鏡等々を日本人は続々と作り出したのですが、わたしが日米で似ているかアメリカの方が少し上?と感じたのは出入国管理や税徴収に携わる公務員たちです。もっとも、わたしはアメリカ入国の際は外国人、日本に入国する際には本国人なので公正な比較は不可能なのですが…。税金徴収に関しても同様です。アメリカではIRS(Internal Revenue Services = 税金と社会保険料を徴収する役所)と言えば泣く子も黙る権威のある機関です。なぜアメリカ人が自分に与えられたポジションで一生懸命になるのか… アメリカ人ではなくアメリカも含むキリスト教新教の地域(アメリカ+イギリス、ドイツとスイスの一部)ではありますが19世紀から20世紀にかけて社会学の基礎を築いたとされるマックス・ウェーバーは宗教によって説明しました。だったら日本は…???  ご心配なく。ウェーバーは日本とインド(だったと思います)についても説明を試みましたがテーマがあまりに深くて広かったので生前にまとめることができませんでした。何だか闇のクマさんの次の動画を見ていたらこのことが何故か頭にぽっと浮かびました(https://youtu.be/TU-adOsAU70)。日米韓は今までは共産主義に対抗するためにタッグを組んでいましたが、儒教が染み渡っている韓国をアメリカは見限ったようです。もっとも儒教の真髄を実現しているのは韓国ではなく日本だと元中国人で日本に帰化した評論家の石平さんが語っています。また、アメリカの国際政治学者のハンチントンは20世紀後半をに顕著だった東西のイデオロギー対立が解消された後、21世紀には法治主義を掲げる欧米や日本と儒教に基づいた人治主義を掲げる中国とその衛星国との間に対立が起きると予言していました。ハンチントンは大まかにはイデオロギーの対立から文明の対立に移行すると言ったのでわたしは対立はキリスト教圏とイスラム教圏との対立が起き、それは対岸の火事かつ勝ち目はキリスト教圏にあるに決まっていると鷹を括ったものですが、某国による尖閣周辺の領海侵犯などを見るにつけ、状況はのっぴきならないようです。

【映画ルーム(172) ターミナル  〜  超ベテランの人気俳優をコメディーに出しちゃだめでしょう 6点】

【映画ルーム(172) ターミナル  〜  超ベテランの人気俳優をコメディーに出しちゃだめでしょう 6点】 平均点:6.19 / 10点(Review 315人)  2004年【米】 上映時間:128分  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。 

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=10098

 

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【あらすじ】

東欧の小国クラコウジアから、ある「約束」のためアメリカに渡ったビクター。入国審査に手間取っているうち、彼の祖国ではクーデターが勃発、国家は転覆してしまう。パスポートの効力を失った彼は入国出来ず、かと言って帰るべき祖国もない。彼はターミナルから一歩も出られない状況に追い込まれてしまったのだ。真面目で純朴な彼は、工夫を凝らし空港内での生活を送り始める。出口の見えない状況が続く中、やがて彼の優しさに空港関係者たちも心を開いていく… 果たして彼の「約束」とは? スピルバーグ流ヒューマンドラマの真骨頂。【ぽこた(ぺいぺい)】さん  

あらすじ執筆者のページ →   https://www.jtnews.jp/cgi-bin/revper.cgi?REVPER_NO=24382

 

【かわまりのレビュー】

芸達者なトム・ハンクスに言葉ができないせいで空港ターミナルで右往左往するだけの役をやらせるのはもったいない気がしました。一体、このおっちゃん(トム・ハンクスがやっている役のことです)何しにアメリカに来たのでしょうか?何だか訳のわからない作品でした。

 

【今回のハイライト(YouTubeから特別出演)】

みなさん、日本国政府発行のパスポートにはカバーが赤いのと緑のがあるのをご存知でしたか? 一般人のは赤で公務で他国に入国する必要がある公務員のものは緑なんだそうです。元財務官僚でつい最近まで内閣参与(タダみたいな報酬で内閣に助言する官僚OBや学識経験者)の高橋洋一さんがパスポートの効力について語ります。→  https://youtu.be/mEgeb7Pu5d0

 

10 点の人のコメントはあまりピンと来ませんが以下のとおりです。

1.  《ネタバレ》 見たのは初めてじゃないはずなのに、覚えてなくて・・・でも今回は笑えました。何度笑ったかなー数えきれないほど。言葉の通じない滑稽なやりとり、トムハンクスはすごいですね。で、最後にアメリアさんとハッピーエンドかと思いきや。。。なかなかやってくれます。最初はみんな冷たいのに、25セント稼ぎかたを覚え、仲間ができていき、みんなが味方になる。大好きな映画になりました。最高なラブコメですね。最高の笑顔で「クラコウジア、クラコウジア」繰り返し見ていて、グっと悲しくなるシーンがあります。電話が使いたいのに字が読めず、「お願い、お願い」と助けを乞うも、誰も助けてはくれず、カメラが引いてって、広いターミナルにこんなにたくさんの人がいるのに・・・って思えたシーンです。【新しい生物】さん [DVD(吹替)] 10点
2.キャサリン姉さんとってもきれいだし、ストーリーもシンプルで言うことなし、
といいたいんだけど一つだけ言わせてください

「最初の空港でトムハンクス追っかけて、カメラがぐるぐる回るシーンがあったでしょ?
私はそこで目が回ってしまいました。
だから、映画終わるまで気持ち悪かった~」\(◎o◎)/!\(◎o◎)/!\(◎o◎)/!\(◎o◎)/!\(◎o◎)/!\(◎o◎)/!【るる】さん 10点
3.ハリウッド版 電波少年【くまさん】さん 10点

【かわまりの声】なんだかよくわからないコメントばかりです。

 

わたしのご近所(jtnews.jp のページ上での)の方々のしごく真っ当なコメント

1. 《ネタバレ》 キャスティングミスだと思う。英語を話せない主人公をトム・ハンクスが上手に演技しているなあと思った時点でダメ。英語を話せない役を演じているじゃないと思ってしまいます。「ギルバート・クレイブ」のディカプリオや、「靴に恋して」のモニカ・セルベラみたいに、映画公開当時に、もしかしてこの役者さん本物?と思わせるようなキャスティング(それほど大有名でもない俳優)を使うべきでした。スピルバーグの映画は子供主役のもの以外はストーリーの展開が苦手なものが多いです。都合よく英語を理解したり理解できなくなったりするのも変です。【omut】さん [CS・衛星(字幕)] 3点.  【かわまりの声】でも3点はキツ過ぎない?

2. これはだめです。スピルバーグの嫌いなところ満載(笑)まず、どう考えても、”パリ空港”の後だということ。それからターミナルのセットをありがたがるところも。セットのスタバやベンチや入り口や出口や切符切りや売店ドトールセブンイレブンの何がすばらしーのか?訳わからん?インテリア?美術?そんなもんねーよ。空港行ってロケしろよ!ハナシもいやらしいし、最低。スピルはやはり、がきんちょか?国のなまえ”クラコージ??”わーやめて!虫唾が走る。嘘なきミエミエ。ハンクスも嫌いになちゃうよ。監督!レイダースみたいなすごいの作ってください!【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 1点  【かわまりの声】これもキツい! トム・ハンクスは元々喜劇役者なんだけど…  でも彼はすっごく頭の良い俳優でどんな職業の人にでも突撃取材してそれに成り切れるから弁護士や宇宙飛行士や機長や船長や大手新聞の編集主幹をやってもらった方が(コスパ?が)良い。つまりそういう役柄で出演している彼を観た方がお得というだけです。

 

気になったのであらすじ執筆者のぽこた(ぺいぺい)さんの点数とコメントを見てみました。

◉ いいですね~、本当に安心して観ていられる良作です。トム・ハンクスのさり気ないながらも素晴らしい演技と、それを生かしきるスピルバーグの演出。また、台詞のひとつひとつもウィットに富んでいて、笑わせられたりホロっとさせられたり… 冒頭、イキナリ本題に入ってくるスピード感ある展開。これって実はかなり重い内容なのに、それをサラッと流しながらも決して軽んじない。この手のニューマンドラマとしてはお約束的なストーリーなのに、観る者にやたらツッコませない。決して大作ではありませんが、見事に感動させてくれる一本です。 【ぽこた(ぺいぺい)】さん 8点  【かわまりの声】点数は高めだけれどこの程度がバランス的に真っ当かもしれません。でも思えばやはり若手で無名の俳優にやらせて成功していたらこの作品がもっと受けただけでなく次代を担う大物俳優が誕生していたかもしれないと考えると制作者の安全路線が残念です。

 

 

【映画ルーム(171) オーケストラの少女 (再) 〜  アメリカ式不況の乗り切り方. 10点】

【かわまりの映画ルーム(171)  オーケストラの少女 (再) 〜  アメリカ式不況の乗り切り方. 10点】1937年【米】 上映時間:84分 平均点 7.08/10点  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。 

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=4320

 

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このブログは2019年末から始まったコロナ禍に際してアメリカの音楽・演劇・チームスポーツ・興行などが被った苦境に思いを馳せて既にアップしてあった映画ルーム(11)に加筆したものです。

 

【あらすじ】

失業中のトロンボーン奏者ジョン・カードウェルは職を得るため、公演中の指揮者ストコフスキーに直談判するが相手にされず、追い返される。彼はその直後、財布を拾うが、落とし主が見つからず、そのまま帰宅、滞納した家賃を催促されたため、財布の金に手をつけてしまう。ジョンの娘で歌の上手なパッツィは、財布を落とし主のフロスト夫人の家へ返しに行くが、婦人に気に入られ、成り行きでパーティで歌声を披露、優秀な演奏家が100人も失業していると訴える。夫人は気紛れにオーケストラを作ったら、スポンサーになると口約束をする。【くなくな】さん

あらすじ執筆者のページはこちら →  https://www.jtnews.jp/cgi-bin/revper.cgi?REVPER_NO=24212

 

【かわまりのレビュー】

《ネタバレ》 いかにもアメリカ的な能天気な作品です。社会のどこかに眠っている本来なら輝く才能をもった人材が適材適所で活躍して人々賞賛を得ることができれば経済恐慌も不景気もなんのその、という考え方は本当にそうあってほしい理想です。結局、現実では大恐慌後のアメリカはルーズベルト大統領のさしがねで暗号を解読してあらかじめわかっていた日本軍による真珠湾攻撃看過して戦争へ突入することによって失業問題などを解決するしかなかったのですが。。。失業音楽家たちが大指揮者ストコフスキーの家に忍び込んで体当たりで演奏を披露してストコフスキーを否応なしにとりこにしてしまうというようなおとぎ話で何もかもうまくいけばいいですよね。この曲(リストの「狂詩曲(ラプソディー)第4番」)もパトリシアが最後に歌うヴェルディのオペラ「椿姫(ラ・トラヴィアータ)」のアリアも難曲中の難曲のようで、正式のコンサートマスターや声楽専門の教師なしに演奏したり歌ったりできるというのも正におとぎ話です。現実と正反対の夢を見させてくれた指揮者ストコフスキー(本人)とパトリシア役の女優さんに喝采! (2015年12月14日にアップロード)

 

【独り言】

2019年暮れに始まったコロナ禍による不況では敵は目には見えないウイルスでした。本作品の時代背景は明らかに1929年にアメリカから始まった世界恐慌のようですが、その時の敵はやはり目に見えない無気力、投資意欲の減退等々で詳しくは経済学や経済史を紐解き、現在有効性を発揮している財政政策の成果や上級向けにはケインズ理論などに接すればわたし達人類が1929年以来いかに賢くなったかがわかります。今回、2019年以来のコロナ禍に経済の上ではアメリカは1929年以来学んだ出来る限りの善処を実行しました。でもアメリカ政府と言えども出来ることはマクロ経済にエネルギー飲料を満遍なく注ぐことだけで、実際コロナ禍が人々に与えた打撃にはバラつきがありました。その中でも比較的大きな打撃を被ったのは音楽・演劇・チームスポーツ・サーカスのような興行など、観客を集めることで成り立っている業界の人々だったのではないでしょうか。こういった業界の人々が一次の不況に凹むことがなく、元気を取り戻すことを切に希望します。そのためにはワクチン開発や公衆衛生の知識の増大が大きな役割を果たすに違いないことは言うまでもありませんが、ITが今以上に発達して臨場と同じかもしかしたらそれを超える工夫によって人々が磨き抜かれた芸術家やアスリートの技を堪能できるようになり、また互いに感動を共有できるようになればいいですね。

 

5点〜10点をつけた人のコメント

https://jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=4320

2点の方のコメント。こういう意見もあるのかということで…。

 

とにかくご都合が良すぎる。しかも主人公の少女がモンスターすぎる。タクシー代を踏み倒し、嘘をつきまくり、人の迷惑を考えない。そして歌も心地良くはない。私にはとことん合わない映画でした。【にじばぶ】さん 2点

【映画ルーム(170) プリティ・ウーマン(1990) 〜 現代のシンデレラストーリー 7点】

【映画ルーム(170) プリティ・ウーマン(1990) 〜 現代のシンデレラストーリー 7点】 平均点:6.46 / 10点(Review 239人)  1990年【米】 上映時間:119分

 

クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=297

 

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、映画タイトルの次、"〜"のすぐ後ろのキャッチコピー、【独り言】と【参考】を除く部分の版権はjtnews.jp に帰属します。

 

【あらすじ】

ロスのハリウッド大通りをねじろにするフッカー(売春婦)のビビアン(ジュリア・ロバーツ)はある日、アメリカ東部から来たビジネスマンのエドワード(リチャード・ギア)と出会い、滞在中の豪華ホテルに同行する。離婚したばかりのエドワードが寂しさを紛らわせるために翌日からビビアンに要求したのはエリートの相手としてふさわしい格好を装い、オペラなどの社交場につきあうことだった。行動を共にするうちにエドワードは無邪気で健康的なビビアンに惹かれ、ビビアンはかなわぬ恋とは知りつつエドワードに惹かれるようになる。

 

【かわまりのレビュー】

アメリカ東部、ニューヨークかフィラデルフィアあたりから来た紳士とロスのハリウッド近辺をうろつく夢見がちな若い女性の組み合わせとくればアメリカ人が大好きなおとぎ話の一つのパターンです。この映画がヒットしてからしばらくの間、ロスのこの界隈では「プリティー・ウーマンに憧れるのはやめましょう・・・。」が全米からやってきた家出少年少女に向かって言うソーシャル・ワーカーのきまり文句になったそうです。リチャード・ギア仏教徒だそうですが、そのせいか、作品中では無表情で慈悲深い仏様に見えてしまいました。

 

10 点の人のレビュー(抄)

1. ジュリア・ロバーツ出世作だけあって面白い。ジョークあり人間ドラマありハッピーエンドありとハリウッドの娯楽要素満載。女性をエスコートするのも金次第(苦笑)!?【HILO】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-11-12 20:26:05)
2.シンデレラストーリー現代版ですからね。作品について現実的に考える必要など全くないですね。映像とあらすじをそのまんま受け取ればよいのが、ラブコメです。この作品でジュリアは大スターになりました。ジュリアが一番輝いている作品ですから、ジュリアを観る作品です。イキがよくってゴージャスでちょっと下品なヴィヴィアン役はジュリアの魅力が全開だ。ギアにはハッキリいってアカ抜けたスマートさはないが、それ故なのか財力、権力はあっても愛のない男エドワードとして、ジュリアのエスコート役がハマっていると思う。ホテルの支配人ヘクター・エリゾンドもいい。かならずハッピーエンドを迎えるラブコメは安心して成り行きを楽しめるのがよいです。単純に楽しい、ひと時の夢を見させてくれるのがラブコメですね。【envy】さん [ビデオ(字幕)] 10点

3. これは主人と高校生のとき見に行ったのを再び見た。何度見ても良い作品だなあーーー!!と思う。「ちゃんとした」女の子はきっかけ次第でたちなおる、という話。その「ちゃんとして」いるかどうかのちがいは、人間としての誇りをもっているかどうかなんだけど、それがこの作品をみると具体的にどういうことか良くわかる。この役はジュリアロバーツ以外には考えられない。ほかの女優がやってもいやみになるか、非現実的になってしまうから。ええい!10点満点!!もってけドロボー!!
【ちずぺ】さん 10点

4. 何回も見た。オペラを見に行くシーンとか良かった。夢のような話だけど。リチャードがクールでいいねえ。今よりめっちゃ若いし。ジュリアロバーツも大きな口が魅力的。ホテルの支配人もいい味出してるよね。プリティブライドにも出てたし。とにかくよかった。【mamik】さん 10点

【↑かわまりの口出し】

オペラを見に行くシーンとはコーポレートジェットに乗って太平洋の彼方に沈む夕陽を望みながらビジネス都市のロスを立って日没後の文化都市のサンフランシスコに到着して始まるんですよ〜〜ん。

 

低い点数を付けた方のレビュー

1. 非常に分かりやすいストーリーなので難しく見ないで良い。キャストも美男美女。オシャレでスマートな演出。ミーハーな人には楽しめる映画だと思います。僕のなかでは唯一の0点。

【おはようジングル】さん 0点(2003-12-05 17:18:43)
2.よく婦人団体が怒ってこなかったな・・・というのが見終わった後の感想でした。
【きよみ】さん 0点(2002-12-08 21:17:54)
3.自分には売春婦が今の貧乏生活から抜け出すためにあほな年上の金持ちを利用しているようにしか見えず、最後も感動するどころかしらけただけ。あの後別れたとしたら、落ち込むのは男のほうで女のほうはいい夢をみさせてもらったとか言ってたいして落ちこまないと思う。【JiBi】さん 0点(2002-10-13 15:04:21)

4.  あまり面白くない。ってゆーか、何度もみようとしてるんだけど、必ずどっかで寝ちゃう。【うさぽん☆】さん 1点(2003-05-28 01:14:30)
5.女の子がこの映画を見て、憧れるのは分かる。でも、この映画を見て怒る女の子も、もっといて欲しい。自分の知らない世界を垣間見た女性が、違う道を行こうとするところには好感を抱くが、男が迎えに来たらその決心はどこへやら、抱き合ってぶちゅー。女性はもっと強くあって欲しい。【イカリングフライ】さん 1点(2003-04-28 19:42:09)
6.ま、いい映画なんじゃないスか?ジュリア・ロバーツが好きな人にとっては。【トリスタン】さん 1点(2001-11-11 01:27:3

 

低い点数でもあまり辛口ではないような…。わたし的にちょっと気になったのはエドワードがしょっちゅう「ダン(Done =それでいい)」という言葉を口にすることです。これは金融界のトレーディングフロアで一口数百万ドルの単位で株や債券や外貨を売買するトレーダーが口にする言葉でエドワードほどの年齢(40代前半?)までにはひと財産築いて引退するのが普通なんですけれどね。アメリ東海岸の王子様風中年の入り口人種って株や不動産などを所有して左うちわで暮らしていて「ダン(Done)」なんて言葉はとっくの昔に卒業しているか最初から使わないんじゃないのかな?

 

【映画ルーム(169) 王妃の紋章(2006) 〜 オリンピック級演出の時代劇…でも中身は? 6点】

【映画ルーム(169) 王妃の紋章(2006) 〜 オリンピック級演出の時代劇…でも中身は? 6点】 平均点:5.62 / 10点(Review 13人)    2006年【中・香】 上映時間:114分  

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https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?SELECT=23470&TITLE_NO=524#HIT

 

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【あらすじ】

中国唐末期。皇帝の妃は唐に統合された隣国の皇女だった。皇帝との間には二人の王子がいたが、皇太子は前皇后の子である。故国再興と自分の子による唐の支配を夢見る病気がちの現皇后は故国の残党と通じ、呪いをこめて震える手で故国の紋章の菊の花の刺繍を続ける。皇后が恐れるのは知恵者の医者と拳法に通じるその妻だけだった。だが、長年愛人関係を結んで手なづけてきた皇太子がこともあろうに医者の娘と密会している場面に遭遇し、皇后は終に決意する。時はちょうど、家族の絆を再確認するという重陽(菊)の節句の直前だった。

 

【かわまりのレビュー】

セットの豪華なことは一目みれば誰にでもわかります。チャン・イーモウ監督のスクリーン美学が如何なく発揮された作品です。でも、「紅夢」や「菊豆」にあったようなおどろおどろしさとか、人間の本質に迫ったり中国の家族制度を暗に批判したりする哲学性はいったいどこに行ったのでしょうか?中国の経済が豊かになって、監督自身も国際的に有名になって、大掛かりなセットや華やかな衣装をまとったエクストラに出資してくれるようなスポンサーができたからといって、資金不足だったころのハングリー精神や表現欲を忘れないでほしいです。皇帝の風格や個性を出していた三王子の演技は満点。皇后役のコン・リーの演技も満点近いのですが、私の趣味としては若い皇太子とのどろどろした愛欲におぼれるのは「サンセット大通り」の往年の大女優グロリア・スワンソンみたいな、皺だらけの顔を厚化粧で塗りたくるオバサンであってほしかったです。そうすればもう少し哲学味が加味されたかもしれません。えっ、文化大革命のせいで年長の世代からは主演が張れるような女優が育っていない・・・のかもしれません。

 

レビューを寄せた方はわたしを含めて13人しかいないので次のURLで全部ご覧ください。

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?SELECT=23470&TITLE_NO=524#HIT

概ねわたしのレビューと似通っています。面白いレビューをひとつだけコピペしておきます。

 

1. この時代の中国におっぱい文化があったとは思えなくて、もしこの作品がちゃんとした作品だったなら時代考証がどうたらと酷評しようかと思ってたけど、余りにもちゃんとしてない作品だったので、それくらいのサービスがないと見てられないって思えるようになりました。とりあえずチャイニーズ・ジョークかと思えるほど無駄に人が多いです。かなり死にますけど、それでもまだ多い。

     人海戦術で壮大な物語のような様相を繕っているけど、実際には家庭内のドロドロした痴話喧嘩。元を正せばいちばん悪いのは王妃だと思うけど、それに対して毒を盛るしかできない王も情けないし、誘惑に負けた長男もだらしない。唆されて反乱に組した次男も計画性がないし、中二病とでも言うのか切れ易い三男もどうしようもない。こんな他人迷惑な家族はさっさと消え去ってくれた方が世の中の為になるでしょう。

     まあ、でも、あれだけ強調されてしまっては仕方ないので、おっぱいに4点付けておきます。
【もとや】さん [DVD(吹替)

 

【おまけ】

チャン・イーモウ監督の「紅夢」と「菊豆」は傑作とまではいかなくても秀作です。

 

【参考】

紅夢

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=804

菊豆

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=3305

【映画ルーム(168) グリーンマイル(1999) 〜 重い事実とファンタジーを混ぜちゃダメ! 3点】

【映画ルーム(168) グリーンマイル(1999) 〜 重い事実とファンタジーを混ぜちゃダメ! 3点】 平均点:6.29 / 10点(Review 626人)   1999年【米】 上映時間:188分

 

クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。

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現時点までに【あらすじ】の投稿はありません。

 

【かわまりのレビュー】

死刑囚の話だというのでスーザン・サランドンショーン・ペン出演の「デッドマン・ウォーキング」と同じ系列の社会派の作品を期待してがっかりしました。死刑囚には超能力があるって言いたいのでしょうか?それとも同じ題材を使ってまともに映画を作ったらスーザン・サランドンショーン・ペンのコンビに勝てないからオカルト風にアレンジしてみただけ? コフィーに超能力(?)がなかったら冤罪だろうが見向きもしなかったくせに「冤罪の人の処刑に手を貸すのは嫌になったから看守を辞めた。」なんてお涙ものにもならないし、ましてや冤罪の人が電気椅子の露と消えるのは看守の責任ではなくて司法制度の責任です。問題意識を持った方は「12人の怒れる男」を見てください。ただし、トム・ハンクスは何を演じてもうまい。彼が出ているのでないればめちゃくちゃに悪い点をつけたところです。

 

10 点の人のコメント(抄)

1. 《ネタバレ》 自分の中でこれは面白さがハンパない。スティーブンキングで刑務所が舞台のものではだいぶ前にショーシャンクの空にという映画を1回だけ見たけど個人的にはそれよりも面白かった。布に包まれたコーンブレッドが忘れられない。僕がスティーブンキングの映画を好きになったきっかけの一つ。スティーブンキングの世界にある神秘的なものを最も見事に映像化している作品の一つ。余談だが二人の少女というとシャイニングを思い出す。

デビッドリンチもそうだけどスティーブンキングは日常にある霊的なものをとらえてそれを物語にしているような気がする。だからファンタジーでも人の心の奥にあるもののような気がする。パーシー役は凄い!よくもここまで憎ったらしい役を演じられるものだ。ぶっちゃけパーシーはこの拳でぶっ殺してやりたい。
それに比べるとビリーザキッドの入れ墨の男の方は問題児だけど陽気で全然憎ったらしくない。やったことの酷さを抜きにすると彼にはユーモアさえ感じる。個人的に、一期一会もそうだけどトムハンクスの役は吹き替えで見たほうが魅力が増す。彼のブロッコリーのようなキャラと吹き替えが見事に合っているからだ。本人が喋った英語のほうが深いけど、思ったよりも暗い印象だったから。・・・ネズミがいい!今まで見てきた映画に出てくる動物の中で断トツに可愛過ぎる。ジョンコーフィーの不思議さがまた良い。無実どころか最も心の優しいコーフィーを救うことのできなかったことに心の痛さを感じる。おぞましいシーンや憎ったらしいシーンもあるけれど、人の心の痛みや優しさを教えてくれるこの映画は最高のヒューマン映画であり、いってしまえばスピリチュアル映画だ。

(中略)

子供のころ3回くらい見て強い印象が残っていたが、映画をたくさん観賞するようになってからは初めて観た。今「好きな映画は?」と聞かれれば間違いなくこの作品を挙げる。それくらい自分の中では断トツな映画だ。【ゴシックヘッド】さん [DVD(吹替)] 10点

【かわまりの独り言】「トム・ハンクスのブロッコリのような役柄」でワロタ。「ショーシャンク」はわたしには合いませんでした。おぞましいシーンはごめん。

2. 《ネタバレ》 泣きました。大男の死刑囚と看守の悲しく不思議な物語です。男の不思議な能力で自分を生き返らせることはできなかったのかなぁ。最後に無罪と分かったのに大男が死刑になるところは凄く悲しかったです。無罪なのに死刑なんて・・・。心の優しい大男に惹かれました。パーシーはどこにでもいるような嫌な奴でした。今は小説借りて読んでいます。【スマイル】さん 10点

3. もうすっごい泣きました!ラスト何十分ずっと泣きっぱなしでした。
すごく悲しい話だけど、何か考えさせられた。途中からちょと現実離れした話になっちゃったけどそんなの関係ない位良いストーリーでした。今まで見た映画の中で一番好きな映画です【☆ピーチ☆】さん 10点

4. 《ネタバレ》 意地悪な看守さんに殺された罪の無いネズミを蘇らせたコーフィーの力のすごさに涙が出た。また、コーフィーの心の純粋さに感動した。コーフィーが刑務所の所長さんの奥さんから吸い取った病気の種を意地悪な看守さんに移してしまうシーンがあった。そのあと、その意地悪な看守さんは本当の真犯人を銃殺してしまった。ネズミを殺した上に、その飼い主である囚人さんに対して、電気椅子にかけるまえに頭を濡らさなかったという意地悪な処刑をしたのだから、当然の罰を受けたのだ。一番涙したシーンがある。小さい少女二人を殺した真犯人がコーフィーではなくて、別の牢屋に入っている人だとわかったのに、コーフィーを電気椅子で処刑してしまうことだった・・・。でも、コーフィーはそれを望んでいた・・・・・。処刑するまえに黒い布だけは被せないでとコーフィーが頼んだので、優しい看守さんはそうしてあげた。人一倍純粋なコーフィーだから、真っ暗なのはいやなのかもしれない。コーフィーは死んでしまっても、その優しい心は優しい看守さんの中に生き続ける。【哀しみの王】さん 10点

5. 「S.キング原作作品」という肩書きは、もう1つのブランドかもしれません。しかしこのブランド作品に失敗作が多いと言われるのは、エンターテイメント性を意識した結果、原作の言いたいテーマが描ききれない作品になってしまうからだと思います。元々キング小説の恐怖とは、内面的なものやささいな日常からくるものだったりします。そういった恐怖をどうしても「派手さ」や「衝撃」を必要とする「映画」に取り入れるのは至難の業であると言っても過言ではない。でも私は今まで観た「キング作品」の中で、この映画が1番好きです。原作と比べて、全くズレがない。ストーリー、登場人物、建物、雰囲気、ついには射のあたり方までも原作のまま。まさに「実写版グリーンマイル」です。「いくらか感動した」とかそういうのはナシでも、これだけで高得点なのです。キング小説ファンはこんな映画を待っていたのです。原作が、珍しく非現実的な要素を含んでいたこともこの映画の成功をもたらした要因かもしれませんが、結論は、ここまで忠実に原作を実写した「キング作品」はなかなか出てこないだろうということです。
「キング作品は駄作が多い」と憂うキング小説ファンには、ぜひ観て貰いたい作品です。感動と、そして何より長年待ちわびていた“安堵感”を覚えるでしょうから。【plala*】さん [映画館(字幕)] 10点

 

全て見たい方は下URLでどうぞ

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=11&TITLE_NO=5241.

 

1点をつけた方のレビューも3人分だけ載せておきます。

1. 無駄に長い。大儀そうにしていますが、中身はからっぽ。空虚かつ不愉快極まりない映画です。最後まで席をたたず耐え忍び、完全鑑賞した自分をほめてあげたい。にしても映画館から出た後、私を見る怯えた彼(今の旦那)の目が忘れられません・・・3時間もの間怒りに震えていた私、いったいどんな形相だったのでしょう??おぞましい限りです。0点としたいところですが、役者の演技が救いということで1点です。【タマクロ】さん [映画館(字幕)] 1点(2005-10-28 14:17:43)
2.私、この映画大嫌いなのです。人やネズミの命を助けられる人が何故、電気椅子如きで死んでしまうのか・・・ファンタジーと言いながらも、かなり“グロイ”演出、特にデルの処刑シーンは見るのも嫌だ、二度と見ないと言いつつこれが3回目の鑑賞、今回は改めて嫌な映画である事を認識するために見てしまった。多分もう見ないです。【みんてん】さん [DVD(字幕)] 1点(2005-10-27 23:10:45)
3.意味が分からない。あのでかいのがキリストの生まれ変わりなら焼き殺した看守をいい人間に立ちなおらせるのが務めじゃないの?結局勧善懲悪でうわべだけきれいなストーリーにして万人受けを狙ったのがバレバレ。ショーシャンクやスタンドバイミーなどである意味信頼していたスティーブンキングの才能を疑うきっかけになった映画。【この道を行けばどうなるものか】さん [映画館(字幕)] 1点