かわまりの映画評と創作

かわまりの読書ルームでは第一弾ノンフィクションに次いで歴史小説を連載中!

【映画ルーム(161) トロイ 〜 傾城の美女とむきむきの肉体美英雄と… 7点】

【映画ルーム(161) トロイ 〜 傾城の美女とむきむきの肉体美英雄と… 7点】 平均点:5.86 / 10点(Review 258人)  2004年【米・英】 上映時間:163分  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。  https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=8879

 

【あらすじ】

3000年前。トロイの王子パリス(オーランド・ブルーム)は敵国スパルタの王妃ヘレン(ダイアン・クルーガー)と恋に落ち、彼女を略奪してしまう。王妃奪還のため城塞都市トロイに差し向けられたギリシャ連合軍。その中には最強の戦士と崇められるアキレス(ブラッド・ピット)の姿があった。/伝説的なトロイ戦争を描いた古代ギリシャの詩人ホメロス作『イリアス』を映画化。名誉、栄光、国家、愛。男たちの壮大な戦いを描く大英雄叙事詩。【紅蓮天国】

あらすじ執筆者のページ:  https://www.jtnews.jp/cgi-bin/revper.cgi?REVPER_NO=22024

 

【かわまりのレビュー】

.《ネタバレ》 ホメロス叙事詩「イリアッド」を映画化したり小説化したりする時に主人公はギリシアの知将オデッセウスホメロスによる続編あり)だったり、トロイの武将アエネアス(ローマの詩人ヴェルギリウスによる続編あり・・・本作品中最後に一瞬登場して宝剣を受け取る)だったりで、誰が主人公でもいいのですが、本作品ではアキレウスが主人公なんですね。金髪で一見強そうではないけれどめちゃ強くて、自信と生意気さが「アマデウス」の中のモーツアルトを髣髴とさせて魅力的ですが神話性が中途半端です。アキレウスのキャラは神話的で原作でもわけがわからないのでどうでもいいんですが、本作品中ではトロイの巫女と恋に落ちるのでぶちこわしです。アキレウスは本来、筋金入りのホモで、ヘクトルに従弟を殺されて逆上し、それまで戦いの傍観者だったのにヘクトルとの対決に至るのです。パリスは本作品では世間知らずのボンボン・・・まあ、いいでしょう。トロイ戦争は、歴史では海洋民族ギリシア人が黒海沿岸貿易に進出するためにトロイへから地域の覇権を奪おうとして行ったと説明されていますが、「イリアッド」やこの映画ではこの教科書的事実には触れられていません。ホメロスは如何ともしがたい運命に翻弄される武人や王族の群像を書こうとしたようです。この戦いのそもそもの発端は、海の女神ティティスと人間の王様と結婚した際、披露宴に喧嘩の女神エリスが招待されず、女神エリスが怒って「一番美しい者へ」と文字を書いた呪いのりんごを投げ込み、臨時美人コンテストで最後に残った権力の女神ヘラ、美の女神ビーナス、知恵と勇気の女神アテナが、トロイの王子パリスのもとへ赴きそれぞれの女神は賄賂をちらつかせて金のりんごを自分のものにしようとし、結局、パリスが美の女神ビーナスが一番美しいと正直に言ったので・・・という風が吹けば桶屋がもうかる式の話なのですが、ここまで回りくどいからこそそれぞれの宿命を背負った武人たちの武勇に生きる姿が真に迫るのです。「祇園精舎の鐘の声」で始まる平家物語の武勇伝が心を捉えるのも「盛者必衰の理を表す」という哲理が背後にあるからなのです。教科書向け事実はともかく、文学作品には必須のこのような哲理が描き出されているかどうかでこの作品を評価しようと思って映画館に赴いたのですがまあ、こんなもんでしょう。

 

10点(最高点)の方のレビュー

1.《ネタバレ》 期待以上でした♪ストーリー良し、役者良し、演出良しの三拍子!男女の愛、家族の愛、そしていたずらな運命。悲しくも美しいラスト・・・ブラピ様はもともとのファンという贔屓目を差し引いても、最高のアキレスぶりでした。ステキすぎるぅ!パンフにブラピの“人間は自分たちが思ってるほど進歩していない・・・”って言うコメントが紹介されていて、ドキッとしました。人間て本当に欲深いものなんですよね。世界制覇の欲は無くても、パリスの欲望は誰にでもあるものですものね。そしてどうしても山崎トオルに見えちゃうオーランドより、ヘクトルエリック・バナが良かった~!そうそう、一緒に行った夫は、ヘレンの美しさに戦争が起きるのも無理はないなんて言ってましたが(苦笑)。ああ、挙げればキリがないほどの心に残ったシーンがありました。また、戦闘シーンも様々な戦略とその描き方、BGM、カメラワークが幾通りもあって、迫力あるのに、女性にも観やすくて良かったと思います。早くDVD出ないかなぁ~!とにかく最高!!【らふらんす】さん

2. 投稿読んで、「なるほど!」と思いました。へクトル大人気なのは彼は家族を大事にしつつ仕事も一生懸命する「今どきの理想のパパ像」だからなんですよね。わかりやすいんですよ、現代人にとってヘクトルって!私はこの映画を5回観ましたが、何故そんなに観たかというと「娯楽映画」として楽しめるからなんです。だって、アキレスの戦闘時の動き方って全くもって「忍者」でしょ?だから、残念ながら戦闘シーンは日本映画に劣ると思います。だけど出演俳優は素敵ですよね!(私はこれでブラピのファンになりました。)結局この映画はあんまり深く考えないで「ハリウッド映画万歳!」って思いながら観たら楽しく観れるんじゃあないのかな?【るる】さん 10点

 

低い点数をつけた方のレビュー

1.なんか以外にもみんなの評価が高くて書きづらいです・・・。僕の率直な感想はそんなに無駄づかいするなら少しぐらい俺に分けてくれ!って感じです。ちっとも面白くなかったし金をかけてる割にはアクションや映像もなんかしっくり来なかったし。僕としては戦争ではなく人間をもっと描いてほしかったです。出来事を描くのではなく人間を描くのが映画だと思います。僕にはこの映画がそれをまったくできていなかったと思います。あったとしても露店で売っているようなチョコバナナに振りかかっているチョコチップのような適当にまぶした感じにしか見えませんでした。僕的には早くも今年のラズベリー賞はこれで決まり!といった感じでした。まぁ、色々な圧力からノミネートすらされないような気がしますが・・・。【野次られLOW】さん 0点

2.《ネタバレ》 次から次へと感情移入先が死んでいく・・・。これを観て何が残るんでしょうか?あの防具つけるとみんなかっこ悪くなるし・・。【よーじろー】さん [DVD(字幕)] 0点

3. .監督さん、超大金かけて現代の人々に何を思ってほしかったんですか? あんたは何を大切にして生きてんだ?【だみお】さん [映画館(字幕)] 0点

4. 《ネタバレ》  よその国で歓待されながら、その国の王妃を寝取る、たぶん戦争になること承知で国に連れて帰る、「戦争やらないで決闘でけりをつけよう」と自分で言い出しながら、ヘナヘナと負けて逃げようとし、兄に助けてもらう。自分のせいで国を失い、父、兄を殺されながら、あくまで妻との愛情が優先。 こんなやつが特に非難もされなきゃ、酷い目にもあわず、あげくが最後に主人公射殺すとか。 もう、パリスが画面に出てきただけで不愉快になりましたw(神話だからしょうがないといわれても)戦闘シーンも酷いですね、単に大勢同士でチャンバラやってるだけで、この手の歴史物では最悪です。製作者は欧米人なのにギリシャの集団戦法もしらないんでしょうか。

ただ、ダイアン・クルーガーがとても綺麗で、戦争引き起こすだけの説得力はありましたw
平成24年9月3日再見(おそらくラスト)名古屋弁で「馬鹿」を「とろい」と言いますが、まさし「とろい」映画。 特に今回強く感じたのは、最初の攻城場面。難攻不落と知られている、しかも優秀な弓兵がそろってる、そんなトロイを攻めるのにろくろく攻城兵器も持たずワラワラと大勢で攻め寄せるだけ、そりゃ負けるって。こんな馬鹿なとろい戦闘シーン見たこともない。
 あと、登場人物の誰にも魅力を感じなかったなあ。そもそも侵略する方に理(女房を寝取られた、一対一で解決するはずの取り決めを一方的に破られた等等)があるのも、気持ちが入りにくいし。 また今回見て、実は主人公が一番おかしいめちゃくちゃな人間じゃないかと思った。一見、悪役っぽいギリシャの王様兄弟だが、彼らには「侵略して、富や領土を奪いたい」「逃げた女房を殺したい」等、一応理解できる動機があるんだけど、それに比べてアキレスときたら、

 

【独り言】

近世ヨーロッパ知識人が身につけた教養メニューの定番でかつ英語に翻訳したのがバイロンが崇拝していた、脊椎湾曲症のせいで一生を書斎の中だけで過ごしたというアレクサンダー・ポープだということで読書ルームII に挿入しました。なおポープはかの物理学者・数学者のニュートンの親友でダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」nでも過去に生きたキーパーソンとして触れられています。本作と同じ内容の「トロイのヘレン(1956年)のヘレンの方が神がかったように綺麗だったのを覚えていますが今のところ再度の鑑賞は叶っていません。レビューだけですが下のURLで概要をご覧ください。

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=9274