かわまりの映画評と創作

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【映画ルーム(160) 博士の異常な愛情 〜 古色蒼然の恐怖戯画… 6点】

【映画ルーム(160) 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 〜  古色蒼然の恐怖戯画… 6 点】 平均点:7.71 / 10点(Review 294人). IMDB. 8.4/10 点447,967人)  1964年【英・米】 上映時間:93分  クレジット(配役と製作者)などについては次のURLをご覧ください。  https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=1213   

 

このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属し、映画タイトルの次、"〜"のすぐ後ろのキャッチコピー、【独り言】と【参考】を除く部分の版権はjtnews.jp に帰属します。平均点とレビューワー数はアップロード時のものです。

 

【あらすじ】

冷戦の時代。米空軍のリッパー将軍は実は精神異常である。彼は独断で攻撃命令を出し、水爆を搭載した十数機の爆撃機が無線を封鎖してソ連へと向かう。事態を知った米大統領は対策会議を招集するが、ソ連大使が驚くべき報告をする。ソ連には核攻撃を受けると自動的に全世界に核ミサイルを発射する報復システムがあり、その解体は不可能だという。ドイツ人科学者ストレンジラブ博士もその存在を肯定する。爆撃機を呼び戻す暗号を知るのは基地にろう城するリッパーだけだった。人類の脅威を描いたらブラックコメディーになってしまいました。【元】さん(2004-03-25  【元】さんは以前は多くのあらすじやレビューを「みんなのシネマレビュー」に掲載していらっしゃいましたが今ではレビューワーのページを拝見しても数作のレビューを残して無くなってしまっています。別名で戻ってこていらっしゃるといいです。

 

【あらすじ2】

ソ連は極秘に大量殺戮兵器「皆殺し」を開発し、完成させたという。しかし、だれもこのことは知らない。ある日、アメリカ軍の司令官が突如発狂し、水爆搭載の飛行機にソ連基地への爆撃指令を行なった。司令官の命令に不審を感じた副官は異を唱えるが逆に監禁されてしまう。事態に気づいた政府はなんとか防ごうと躍起になるが・・・  【ヴァッハ】さん のページ https://www.jtnews.jp/cgi-bin/revper.cgi?REVPER_NO=23588

 

【かわまりのレビュー】

この手の作品(ブラック・コメディー)としては高い平均得点を獲得しています。アメリカの同様のサイトのIMDBではさらに高い平均点ですがどちらを取っても冷戦終結の前につけられた点数ではないです。しかし、昨今の生物兵器ではないかと言われる567禍では古色蒼然…かもしれません。何しろ、核兵器は殺して破壊するしか能がありませんが世界征服を企む輩は所有し、服従させなければならず、しかも出来たら密かにそれを成し遂げようと画策するのです。こんなことを書くとなんだかわたしが新時代のリッパー将軍みたいなな被害妄想狂のようですが、現に今時点では「あの頃はなんで核兵器なんか怖がっていたのだろう。結局、何も起きなかった。」と古今の感があります。ただ為政者が発狂でもすれば核兵器はやはり怖いし、その後ぞろぞろ出現したサイバーテロ同時多発テロなど心配の種は尽きません。どなたか現代版(サイバー戦争+生物兵器)のブラック・コメディー映画を制作してくださることを切に望みます。チャップリンの「独裁者」の頃から悲惨な可能性は笑い飛ばさないとやっていけまないことになっているのです。閑話休題: この作品の終盤に登場する博士のモデルはハンガリー出身でナチスユダヤ人迫害を逃れてアメリカに亡命し、数名の同志と共にアインシュタインを動かしてアメリカ大統領に原子爆弾の可能性を告げる書簡を出し、後に「水爆の父」と呼ばれたエドワード・テラーという物理学者だそうです。広島・長崎に原爆が投下され、原爆の秘密をソ連に盗まれた後、さらに水爆をアメリカ政府が開発するかどうかを決定する際、殆どの科学者達が「試すだけならともかく軍備としてはもういいよ。」という立場だったのにテラーだけが軍備としての水爆開発を強く推したのです。結果、テラーはノーベル賞受賞を逃した、とわたしは思っています。

 

10点の人のレビュー

https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?POINT=11&TITLE_NO=1213 (こんなに多くの人が満点!!)

 

底得点の人は一人だけご登場願います。お2人が1点、4人の方が2点をつけました。

いいたいことはわかるが、悪ふざけ的な印象。「When Johnny Comes Marching Home」の音楽を多用しているが、これはこの音楽に対する侮辱とみた。キューブリックは肌に合わない。
【風小僧】さん 1点

 

【参考】

エドワード・テラー (ウィキペディア)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%86%E3%83%A9%E3%83%BC?wprov=sfti1

 

【読書ルーム(145)〜(150) プロメテウス達よ 〜 原子力開発の物語 第6章 冷戦】

 https://kawamari7.hatenablog.com/entry/2020/02/20/092545 (145)