かわまりの映画評と創作

読書ルームではノンフィクションと歴史小説を掲載

改めてご挨拶いたします。読書ルーム解説のご案内。

今年3月にこのブログの場所を確保した際にアップロードしたご挨拶では映画レビューと並んでわたくしが今までに電子出版した自著の内容について情報を提供するということをお伝えしました。映画レビューを開始したのはこのブログの場所を確保してから4カ月後の7月下旬で、これはやはり内容や著作権などについて考えあぐねた結果です。わたしの著書を紹介する読書ルームについてもなかなか着手できなかったのは同じ理由によります。

 

以上のような経緯を経てやっとアップロードに漕ぎ着けた最初の作品はノンフィクションの「プロメテウス達よ 〜 原子力開発の物語」になります。一大決意をして本書はアマゾンで有料ダウンロードしていただく傍ら本ブログで本文全編を公開することに決めました。わたしが著作権保有し、かつアマゾンに電子版の版権を預けたままでこのようなことをして良いのか迷いもしましたが、結局、読んでいただきたいという欲求が先立ってこのブログで全編公開することにいたしました。著作権については侵害される心配はほとんどしておりません。昨今、従来から存在していたほとんどの表現手段がデジタル化してコピーによる著作権侵害が問題になっていますが、著述された作品はその可能性が実は最も低いとわたしは考えています。なぜなら著作、特にノンフィクションは引用元や注釈と本文が一体となって著作権対象となるのであって、こういう意味において本ブログでわたしが公開しようとしている2つの作品はわたし自身の注釈の代わりにウィキペディアへのリンクを張り、またほぼ全部が英書である引用元は有料ダウンロードできる電子版書籍にのみ含めることにしております。

 

このような二重の形での公開方法を取ることのもう一つの利点は、従来の形に近い出版形態と並んでブログへのアップロードされた作品はコメントを受けたり質疑応答が可能になったり読者の感想を即時に受けることができるということがあります。また有料版にはない読者サービスとして、アメリカの高校生や大学の一般教養での文学履修者向けに販売されている注釈書に類似した著者のわたし自身によるコメントを付けることも可能です。

 

わたしが欧米で出版されて著作権が消滅した作品をデジタル化するというプロジェクト・グーテンベルクとその日本版である青空文庫に初めて接してから既に20年以上の月日が経っています。これからも各種表現のデジタル化は進んでいくと思われます。これからは著作権の侵害さえなければ様々な著作権存続作品が次々とデジタル化され、特にマーケティングが困難な著作物が紙に印刷されて出版される前にデジタル出版されるようになればそのような個々の作品が一層磨かれると同時に環境保全にも資することになるとわたしは考えています。

 

2019年(令和元年)8月18日

川上真理子

 

【読書ルーム(1) プロメテウス達よ- 原子力開発の物語  プロローグを読まれる前に】

科学上の仕事は砂上の家のような征服者の栄華の夢とは比較ができない 。寺田寅彦 (一八七八年 ~一九三五年 )

原子力開発に携わった科学者たちの努力が奇しくも権力者の野望実現の道具にも結実してしまったがギリシャ神話のプロメテウスがもたらした火のように人類に禍根を超えてあまりある恩恵をもたらしてほしいという願いをこめて上の寺田寅彦の言葉を扉に引用しました。

 

プロローグはどのような物語でも同じでしょうが、読者に書籍全体を読ませる準備をさせるためのものです。いわばアペタイザーといったところでしょうか。本書では欧米列強の帝国主義の延長として勃発した第一次世界大戦において、フリッツ・ハーバーアインシュタイン、キューリー夫人の3人の科学者がどのような態度を取ったかを描くことによって読者に何が正しく何が間違っているかの道徳的判断をしてもらうという意図がありました。その判断は容易だと思います。少なくとも第一次世界大戦の時点では....。

 

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